第13話 【雨萩さくり】 ページ16
Aside
なーくんの様子が少し変だったから「どうしたの?」って聞いたけど、
”大丈夫だよ”って返されてしまった。
ここで無理に触れるのも嫌かなと思って、私は”我慢しすぎないでね”とだけ伝えておいた。
複雑な表情をしながら笑うなーくんを横目で見ながら、私は王原家に入った。
『お邪魔します』
ジェル「は〜い、いらっしゃい!」
突然女声を出して遊び始めるジェルくん。相変わらず女声上手いなぁ。
みんなと一緒にリビングへ向かうと、テーブルの上に一枚のメモ用紙が置いてあった。
お父さんの仕事の手伝いに行ってきます。ご飯は自分で作って食べてね。
そして、近くには5000円が置かれていた。
さっきまで明るい雰囲気だったのに、急に重い空気が部屋中に走った。
なーくんたちのお母さんがこういう状況になるのは、実は珍しくない。
私たちが小さい頃は頻繁にあって、定期的にお泊まり会を開いていたぐらいだから。
中学校に上げってからはお母さんたちの配慮で、
”男女だし、無理にお泊まり会をやるのはやめよう”ってことになった。
それから以前ほどはお泊まりをする機会が減ったけど、
それでも定期的にお互いの家に泊まったりはしていた。
……今日みたいに突然お泊まり会を開くこともあるけど、
大体はどちらかの両親が不在のときに行っている。
そして、ここ最近王原家のお母さんたちが家にいないことがかなり増えてきた。
元々忙しい人たちだってなーくんは言ってたけど、ここまで家にいないのはそんなになかった。
……みんな口に出さないでいるけど、寂しいんだなってことがヒシヒシと伝わってくる。
莉犬「……とりあえず、荷物置いてご飯買いに行こっか!」
ころん「うん。僕、バナナでも食べようかな」
るぅと「いいんじゃないですか?これで真のお猿さんになれますよ」
ななもり「そうだね。……ここで色々考えてても、何も動かないし」
ジェル「まぁ、下手に考えすぎるよりはええよな」
さとみ「ついでにお菓子も買ってパーティーでもしようぜ」
莉犬くんの言葉をきっかけに、みんなが一斉に動き出した。
まるで、さっきまで止まってた時間が嘘みたいだった。
ここは変に言葉をかけるより、明るく振舞った方がいいよね。
私はなるべく笑顔でいることを心がけ、みんなと一緒に外に歩き出した____。
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紫月まろ@相方:めんたいこ#勉強消滅させよう同盟(プロフ) - さまーさん» わ~!!ありがとうございます!お褒めいただき光栄です! (4月3日 14時) (レス) id: 5dc82e964f (このIDを非表示/違反報告)
さまー(プロフ) - ちょっと待って!?神同士が合作してやがる…神同士がくっついて神を超えてやがる… (4月2日 9時) (レス) id: ad3984bf8f (このIDを非表示/違反報告)
紫月まろ@相方:めんたいこ#勉強消滅させよう同盟(プロフ) - しーちゃんさん» 褒めていただけるのはすごく嬉しいのですが、さくり同様の意見です…。 (12月9日 19時) (レス) id: 9c4501d397 (このIDを非表示/違反報告)
雨萩さくり(プロフ) - しーちゃんさん» えーっと、それはしーちゃん様が手掛けた作品として投稿するということですか?それとも、こういう作品があるよ〜みたいな感じで宣伝するということですか? (12月9日 17時) (レス) id: c9a476ef2d (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん - このお話があまりにも素敵だったので多くの人に見てもらいたく、プリ小説と言うアプリで 同じ内容で書かせてもらってもよろしいでしょうか、、 (12月9日 17時) (レス) id: 22e9f0b0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨萩さくり x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年7月28日 19時