一輪の花よ、咲き誇れ【VOISING】 (ページ11)

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＃２ページ11

『お次はすたぽらからくにくん！』

れるちとも迷ったけど、あの人はくれなさそうだなって思ったからやめておいた。

企画とは言えど、僕は本気でお年玉をくれそうな人を狙っていくぜ。

先程と同じ”もしもし”という声が聞こえると、

僕はハイテンションで「ハッピーニューイヤー！」と叫んだ。

くに「え、早くない！？まだ年明けてないよ？」

『もうすぐ年始が来るねっていう意味も込めて言わせて頂きました』

くに「なるほど……？」

『絶対分かってないやん』

”だって意味分かんないだもん”と何故か可愛く言ってくるくにくん。

そんな彼に、僕は「新年と言えば？」と話題を振った。

お年玉に繋げるために適当に作ったテーマだったけど、くにくんは真剣に考えてくれた。

くに「えー。お休み！大体３日ぐらいまでは休業してる店が多いよね」

『あ～、分かる。お店閉まってるときに限ってそこに用事あったりするんだよね』

くに「それな！買い溜めし忘れたものに気付いた時はもう最悪」

お正月あるあるで盛り上がっていると、僕の脳裏に”お年玉”というワードが浮かんできた。

危ない危ない、すっかり忘れてあるあるトークで終わるところだった。

僕は「それもあるけどさ、他には～？」と言って続きを促した。

くに「他？えーっと、こたつにみかんとか？」

『その組み合わせめっちゃいいよね。ちなみに僕はアイスでもアリ』

くに「待って、めっちゃ分かる！温かい中で食べるアイスって最高だよね」

またもや盛り上がってしまった。いや、話が弾むのはいいことなんだけどね？

残念ながら本題はそこじゃないんだよ。僕はお年玉を貰いたいだけなんだ。

僕が「違うでしょ？お年玉があるじゃん！」と言うと、「そっちね！」と納得された。

くに「何、お年玉欲しいの？」

『ほしい～！ちゃんと活動資金に使うのでくださ～い！』

くに「あはっ、千隼ちゃんらしい使い方だね。でも、自分のために使ってもいいんじゃない？」

『え？それはお年玉を頂けるってことですか？』

「俺もあげる側だからね」と前置きして、「七千円ならいいよ」と言ってくれた。

お年玉を貰うことが決定したところで、ネタ晴らし。

くにくんは”あ、ドッキリなの！？”と驚いた後、「二千円マイナスね」と金額を減らした。

まぁまぁまぁ、貰えるだけありがたいってことで！

合計金額：一万五千円