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「……そんな事で嘘なんてつきません。」

ハッキリと言い切ったのは、宮舘だった。
先程まで畏怖していた存在に強い眼差しを向けて、彼は再び口を開く。

「俺の全部を差し出して、皆が助かるなら何でもくれてやる。」

動くのも恐ろしい空間で、それでも彼は立ち上がる。
まるで守る様に三人の前に立って、じっと神様を見据えた。
いつの間にか猪狩から離れていた神様は、その視線を受けてケラケラと笑う。

力の弱い神様は、生贄を得て強くなる。
強い力は万物を捻じ曲げる。

それならば、喜んでこの身を捧げてやろう。

「……俺一人で、どこまで出来ますか。」

ぽつりと呟いた宮舘の言葉に、神様はきょとんとした。
それからうーんと可愛らしく考える。

『どこまでって、どういう事?』

「俺一人が全部捧げたとして、俺達四人全員の願いはどこまで叶うんですか。」

『あぁ、そういう事!』

その言葉に反応したのは、神様だけでは無い。
舘さん、と焦った声を出したのは三人共ほぼ同時だった。
宮舘が発した言葉の意味が、分からない者はいない。

「待って、それは違う、」

辿々しくも言葉を紡ぎながら、宮舘の腕を掴んだのは高地だ。
宮舘はそっと振り返る。
今にも泣き出しそうな顔をしている三人を見て、酷い顔だと漠然と思う。

「舘さん一人で、全部は違う……!」

悲痛な高地の声。
宮舘は腕を掴む高地の手に優しく触れた。
大丈夫だと言う様に。
けれど声を掛ける事は無い。

「……どうなの?」

視線を神様に向けて、宮舘は問う。
神様は困った様に笑って答えた。

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user(プロフ) - bamさん» ありがとうございます!スローペースですが今後も楽しんでいただければ嬉しいです! (7月9日 4時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
bam(プロフ) - この先どうなるかドキドキしながら見守る気持ちです。更新楽しみにしています! (7月8日 14時) (レス) id: e2f44e88a0 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 中身のないミカンさん» ありがとうございます、コメント嬉しいです!励みになります! (2021年11月4日 3時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
中身のないミカン(プロフ) - こちらの作品も他の作品も好きです。個人的好みなので更新楽しみです (2021年11月2日 5時) (レス) id: b0e448d7d6 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 名前しずくさん» ありがとうございます!その言葉がモチベーションに繋がります!嬉しいです! (2021年10月30日 0時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:user | 作成日時:2021年10月28日 3時

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