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『君一人でしょお?全部、本当に全部くれても、四人分は賄えないと思うなぁ。』
「……そう、」
『君のね、存在ごとくれたら、僕だけのお人形になってくれたら、うーん……僕も、頑張れるかも?』
「存在ごと?」
『そう。誰の記憶からも無くなって、髪の毛一本だって君の意識だってぜぇんぶ僕のものになるの。それでも、そこまで捧げてくれても、全部叶えてあげられるかは分からないけれど。』
それでもきっと、今よりずっとマシになる。
全部、と宮舘が呟くのを見て、声を張り上げたのは高地だった。
このままでは宮舘が本当に全部捧げてしまうと彼は焦った。
「他の方法は!?」
「高地!」
「他の方法は無いんですか!?」
宮舘が高地を諫める様に名前を叫んだけれど、彼はそれすらも遮った。
「舘さんが一人で全部を背負ったって、全部が叶うかは分からないんだよ!?それなら、確実に叶う方法を考えた方が良いに決まってる!」
「それは、」
「やっとデビュー出来たんだよ、九人でSnow Manだって言ってたじゃん!」
高地が声を上げた事に触発されたのだろう、他の二人も口を開く。
「宮舘君一人が犠牲になるんじゃ意味がないです、皆で前みたいに戻りたいのに、」
「また皆で笑い合いたいだけなんです。そこに舘さんがいないなんて駄目に決まってる。」
泣きそうな猪狩と、真剣な川島。
必死な彼等の声に、きょとんとしたのは神様だった。
『戻りたいの?』
神様は四人に歩み寄って、もう一度問う。
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user(プロフ) - bamさん» ありがとうございます!スローペースですが今後も楽しんでいただければ嬉しいです! (7月9日 4時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
bam(プロフ) - この先どうなるかドキドキしながら見守る気持ちです。更新楽しみにしています! (7月8日 14時) (レス) id: e2f44e88a0 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 中身のないミカンさん» ありがとうございます、コメント嬉しいです!励みになります! (2021年11月4日 3時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
中身のないミカン(プロフ) - こちらの作品も他の作品も好きです。個人的好みなので更新楽しみです (2021年11月2日 5時) (レス) id: b0e448d7d6 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - 名前しずくさん» ありがとうございます!その言葉がモチベーションに繋がります!嬉しいです! (2021年10月30日 0時) (レス) id: bc32234889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:user | 作成日時:2021年10月28日 3時