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「おはよう」
「おう」
「ふふ、久しぶりな感じがするね。最近は毎日一緒にいたから、尚更」
「そうだな」
翌朝、迎えに来てくれた影山くんと一緒に歩く。電話では話していたけれど、こうやって顔を見るのは久しぶりだから新鮮な感じがした。
彼は今日は少しだけ饒舌で、私がいない間に練習試合があったとか、勉強が嫌だとか、色々なことを話してくれた。なので今日は私も問題を出すのをやめて相槌を打った。私が休んでいた時のことを聞かせてくれるのは有難い。
影山くんは復帰してすぐだからか、私のことを過剰に気遣ってくれる。いつもは気にしないのに、道路に車が通ると私を車から遠ざけるし、少しでも隣から離れるとすぐに振り返る。
「あの、影山くん、そんなに神経質にならなくても、大丈夫だから……」
気遣いは本当に嬉しいのだが、あまりにもこう過保護にされると恥ずかしい。まるでどこかのご令嬢になった気分だ。
お友達である貴方にそんなことをされたらたまったものではない、とそのまま告げると、彼はぽかんとして私を見た。自覚がないらしい。その様子に私もぽかんとしてしまった。無自覚なのもそれはそれで問題なのでは？
一体貴方はいつそんな振る舞いを覚えてしまったの、と口に出してしまうところで飲み込んだ。これで永原さんや松井さんと言われたらどうしよう。無いとは思うけれど、言いそうで教えそうなのは私の近くでは彼らだけだ。
「A、おっはよお〜！」
「はうっ！？や、弥生ちゃん、急に抱きつくのはやめて……びっくりした……」
「僕寂しかったんだよー？そういえば携帯番号も交換してなかったって、この期間で気づいたもん！」
影山くんと別れて教室に入ると、弥生ちゃんが目を輝かせながら私に飛び込んできた。ぎゅっと腕に抱え込まれたまま見上げると、嬉しそうな顔が間近で見える。美人さんの笑顔は心臓に悪い。
彼女は私を離さないままで携帯を差し出すので、大人しく私の番号を入れる。はい、と携帯を渡すとようやく離れて、パッと笑った。
「今度何かあったらすーぐ電話してあげる」
「その今度がないことを願うけど、うん、私も弥生ちゃんとお話できるなら、嬉しい」
「……久しぶりに話すと、やっぱAって素直でいいなって思うよ」
へにゃりと力が抜けたように笑う弥生ちゃん。褒めてもらったのでありがとうと返すと、楽しそうに声を出した。
「ノートあるけど見る？」
「あ、ううん、暗記しているし、大丈夫」
「あっそうだったー！」
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ReG(プロフ) - なこさん» 閲覧して頂きありがとうございます。今後も読んでくだされば幸いです。 (2022年4月18日 14時) (
レス) id: d40d8fc65b (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - とてもおもしろくてすいすい読めて読み応えがあります(^-^)/ 更新楽しみにしております(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)” (2022年4月2日 19時) (レス) @page22 id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ReG | 作成日時：2022年3月22日 15時
