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あまり重たいものだと本当に食べきれなくなってしまいそうなので、塩ラーメンにした。食券方式だったので、及川さんにバレないうちに自分で購入した。まさか本当に奢らせる訳にはいかない。
席についてすぐに及川さんに自分で食券を購入したのがバレたが、流石に勘弁してくださいと言うと案外あっさりと引き下がってくれた。相変わらず彼は私と目を合わせるのが苦手らしく、すっと目が逸らされた。
「わ……」
ドンと私の前に置かれた器に、透き通るスープがきらりと輝いた。しかし問題はそこではなく、
「こ、これで小ですか……？」
「？うん、どしたの」
「い、いや」
どう見ても並くらいある。おかしい、私はきちんと少なめで注文したはずなのに、と隣を見ると、何故そんな盛り方をと言わんばかりの大盛りを岩泉さんが食べていた。思わずぽかんと口が開いてしまう。
その奥で松川さんが愉快そうに私を見ていた。その前に置かれているラーメンはどうやら私よりも多い。確か彼は並で頼んでいたと思うが、まさかこのお店の並はあれなのか？
「……い、いただきます」
とりあえず伸びる前に食べてしまわなければ。手を合わせてパキンと綺麗に割り箸を割った。つるりとした麺をとって冷ますために息を吹きかける。
うどんもそばもそうだが、私は麺を啜るのがかなり下手くそだ。なので少ない量をレンゲの上に乗せて口へと運ぶ。あっさりしていてとても美味しいが、果たしてこれを食べ切れるのかだけが心配だった。
「…………」
「……あ、あの、な、何でしょう」
及川さんがこちらをじっと見つめてくるのがとても気になる。半分ほど食べたところで振り返ると、彼は慌てて顔を上に向けた。
「な、何でもっ？」
「は、はあ……」
「神風、大丈夫そうか？」
そんな及川さんを置いて、ひょいと私の隣から岩泉さんが心配してくださった。既に私のお腹は八分目といったところだったので、大丈夫ではないです、と答えた。
「じゃあ寄越せ。水そこな」
「岩ちゃん大盛り食べておいてまだ食べるの？俺が食べてあげる」
「お前にやるラーメンなんてレンゲ一杯分しかねえよ」
「それスープだけじゃん！」
宣言通り彼はレンゲにスープを入れて私に渡す。どうやら及川さんに渡せという意味らしい。指示通りくるりと振り返って及川さんに差し出すと、途端に顔が真っ赤になった。
「……？の、飲まないですか？」
「のっ飲む！」
「声でか」
「あ〜ん♡に抵抗ないの？」
「ま、まあ、よくやるので」
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ReG(プロフ) - なこさん» 閲覧して頂きありがとうございます。今後も読んでくだされば幸いです。 (2022年4月18日 14時) (
レス) id: d40d8fc65b (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - とてもおもしろくてすいすい読めて読み応えがあります(^-^)/ 更新楽しみにしております(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)” (2022年4月2日 19時) (レス) @page22 id: 5054bb840e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ReG | 作成日時：2022年3月22日 15時
