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ということで、一日目は弥生ちゃんと仲良くなることに費やして終わった。彼を見に行きたかったが、どうせバレー部に行っているだろうから、勧誘が落ち着く明日に顔を見せようと思う。彼のクラスを探し出すほどではない。

一体どんな反応をするだろうか、と少し楽しくなりながら就寝して、そして珍しく寝坊した。
とは言っても遅刻する、というレベルではない。お忘れかもしれないが、私は朝かなり早く起きる。具体的には四時半だ。なので今日も慌てはしたけれど、いつもより二十分遅れの六時半に家を出たので、遅刻はほぼない。今から遅刻するとしたら、何かしらのハプニングに三度ほど遭遇しなければならない。

勿論そんなことは私の人生において有り得ない。そもそも六時半は早朝に分類される。こんな時間に外に出ているのは、ごみ捨てに向かう奥様方や犬の散歩をしている人ばかりだ。いずれも私のことなど気にかけない。

予定より遅いものの、しっかり学校へたどり着いた。買ってもらった新品のスマートフォンを出して時間を確認するが、ギリギリ七時前といったところだった。

朝練がある部活が声を出しながら校庭をランニングしていた。久々に見る光景に、彼のことを少しだけ思い出した。彼はバレー部なので、あんなところにはいないだろうけれど。

それを横目に靴箱から靴を取り出し履き替える。新品の靴に内心はしゃいで廊下を歩いた。まだ私も高校一年生なので、些細なことでも気分は上がるのだ。

ガラリと音を立てて扉が開く。中には誰もいない。いつもの特権だと嬉しくなった。最初に来て最後に帰るのが私のルーティーンと言っても差し支え無かったので、それを乱すものがないのは喜ばしいことだった。これから変わっていくかもしれないが、今はこれでも喜ばせてほしい。

いつも通り窓を少しだけ開けて、自分の席へと進む。鞄から昨日家に届いた教科書と新品のノートを取り出して、今日の授業に必要なものが揃っているか確認する。内容は昨日のうちに全て見てしまったので、特に無くても問題は無いが、先生に目をつけられたくはない。揃っていることを確認して、一息ついた。

卒業祝いに買ってもらった書籍を読みながら時間を潰す。八時になると弥生ちゃんが入ってきて、私に抱きつきながら朝の挨拶をした。私はどもりながらそれに返した。

「げ、英語じゃん。なんでー?」

彼女は昨日の宣言通り、英語が見えるとあからさまに嫌な顔をした。それが面白くって、少し笑ってしまった。

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作者名:ReG | 作成日時:2022年1月26日 4時

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