32.練習試合�� ページ32
「…あとさ、試合始まる前」
「2階で深津と何話してたんだ？」
松本くんからの驚きの一言に、
咄嗟に松本くんの方を振り返る。
「え！松本くんその時から私のこと気づいてたの！？」
…あんな場面を見られていたなんて…。
まさかあの怪しい動きをした私を見られていたとは思わず、恥ずかしさから顔を手で隠したくなる。
「…そりゃ気づくだろ」
松本くんはそういうとあからさまに私から目を背けて、
なぜかむすっとした表情をしていた。
初めて見る松本くんの表情に驚きを隠せない。
私がじっと松本くんを見つめると、
松本くんもなぜこの表情をしているのかということを静かに話し始めた。
「…深津と話してるAさんの顔が赤くなってたから…」
「…悪い。嫉妬した」
そう言って松本くんは首の後ろに手を置き、
気まずそうにしていた。
松本くんの一言に胸がとくんと音を立てた。
私はすぐさま松本くんの誤解を解くように声を出す。
「顔赤くなってたのは松本くんの話をしてたからだと思う…」
「え」
松本くんは背けていた目を私に向け、目を丸くしていた。
そして私はいたずらに少し笑う。
「嫉妬してくれたの？」
そういうと松本くんはわかりやすく顔を真っ赤にして、私から顔を背けた。
「…だったら悪いかよ」
松本くんは私に、好きと言ったことはない。
けれど、嫉妬してくれたという事実だけで、言葉がなくてもいいと思えるほどだった。
「…それで深津は俺のことなんか言ってたか？」
そう言われ、嫌に心臓がドキンと跳ねた。
『松本はこんなところで終わっていい人間じゃないベシ』
深津さんの言葉が何度も頭を駆け巡る。
深津さんの目はー・・・
まるで全てを見透かしているようだった。
松本くんがバスケを辞めたいと思っていることも。
私が松本くんをー・・・
「Aさん？」
松本くんの声にハッと我に帰る。
松本くんは私がぼうっとしていたのを心配してか、名前を呼んでくれた。
私は急いで笑顔を作る。
「深津さん、松本くんのことすごく褒めてたよ」
そういうと、松本くんは少し顔を赤らめて
「そうか」
と小さく呟いた。
そして松本くんはこれまでにないほど嬉しそうに笑った。
その表情を見て、
モヤモヤっとした黒い感情が出てきていることに、
気づかないふりをした。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
