呪力が憑いてた【呪術廻戦】

30話 ページ31

ヴー、と携帯から何かを知らせる音が鳴った

電話らしい


大方伊地知さんからだろう




吉野｢虎杖君達は、呪術師なんだよね？｣


その問いに頷くと次に人を殺したことがあるか、と聞かれた


2人揃ってＮＯを示す



だけどきっといつかは...


吉野｢でもいつか、

悪い呪術師と戦ったりするよね


その時はどうするの？｣


虎杖｢...それでも殺したくはないな｣


吉野｢なんで？悪い奴だよ？｣


虎杖｢なんつーか、1度人を殺したら

"殺す"っていう選択肢が俺の生活に入り込むと思うんだ

命の価値が曖昧になって、大切な人の価値までわからなくなるのが、俺は怖い｣


本心だと、心から思えるほどはっきりと言った


吉野｢Aちゃんは？｣


『《私もあんまり殺しはしたくないかな、どんな人だってやり直せるんだよ

呪霊と人は違う


呪霊は人の嫌な感情から生まれる

生まれた時からずっと

やり直すことが出来ない


悪い奴でも、人ならやり直せる

赤ん坊の頃から悪い感情を持ってる、だなんて人いないでしょ？》』


吉野｢でも...やり直せないくらいに優しさが消えてたらどうするの？｣


『《間違いは正す

たとえ本当に悪い人だとしても、その人を思う人がいるかもしれない

家族だったりね》』


瞼を伏せて眠り続ける凪さんをみた


吉野くんのお母さん

河川敷での会話でとても頼もしいと思えた人


だけど、何の力も無い一般人


吉野くんがあんな質問をするってことは、少なからずそういう感情が入ってきそうになったからだろう


なんとなく不安になって、私の周りについているであろう呪力で凪さんを包んだ










報告が入った


宿儺の指と...



凪さんが意識不明の重体で見つかったらしい



指に寄せられた呪霊が凪さんを、ということだ


直感とはいえ、呪力で守っておいて良かった


だけど、もっと渡しておけばよかった

そうすれば、意識不明の重体には、ならなかったのに



悔しさと後悔で唇を噛み締めた

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