呪力が憑いてた【呪術廻戦】

31話 ページ32

七海さんや伊地知さんには止められた


2人からすれば当たり前のことだ


でも、私たちから見ればこうしてしまうんだ


子供っぽいと罵られるのならそれでいい



虎杖｢行こう、A｣


頷いて彼を追いかけた









辿り着いた学校の体育館で、吉野くんが男の子を蹴っていた


それは"壇上での出来事"で他の生徒はその下で倒れていた



私と虎杖くんの目には吉野くんしか入らなくて


『なに、を...』


虎杖｢何してんだよ！！

順平！！｣


か細い私の声は誰にも届くことは無かった

勿論、私にも





トン、と虎杖くんに呪力を渡したのが合図かのように戦闘が始まった


私は後ろで避けながら支えている



吉野｢もう一度言う

引っ込んでろよ呪術師！！
関係ないだろ！｣


出会った時とは違う

完全に私たちを敵視している


虎杖｢それはオマエが！決めることじゃねぇ！！｣


吉野｢無闇な救済に何の意味があるんだ...

命の価値を履き違えるな！！｣


そう叫ぶと同時に海月のような呪霊が包み込んだ


だが、なんともない

これもまとわりついてる呪力のおかげか...？


虎杖くんは...！？



どこかで声がした


｢霊長ぶってる人間の感情...心は！！

全て魂の代謝！！まやかしだ！！


まやかしで作ったルールで僕を縛るな

奪える命を奪うことを止める権利は誰にもない

そこで寝ててよ、僕には戻ってやることがある｣


...

もう、吉野くんが何言ってるか、わかんないよ


虎杖｢誰に言い訳してんだよ｣


低い音が響いた


よかった、生きてる



虎杖｢順平が何言ってんだが、ひとっつも分かんねぇ

それらしい理屈を捏ねたって、オマエはただ

自分が正しいって思いたいだけだろ｣



虎杖くんの拳があたり、吉野くんがとぶ


虎杖｢順平の動機は知らん

何か理由があるんだろ


でもそれは本当に、あの生活を捨ててまでのことなのか？｣


その言葉を聞いて虎杖くんを見た

もしかして虎杖くん、凪さんのこと...


虎杖｢人の心がまやかしなんて、あの人の前で言えんのかよ！！｣


吉野｢人に心なんてない｣


吉野くんは、続けて言った


吉野｢そうでなきゃ！！

母さんも僕も、人の心に呪われたって言うのか

そんなの、あんまりじゃないか...｣


弱々しい声に答える声は、まだなかった

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