呪力が憑いてた【呪術廻戦】

1話 ページ2

"変なもの"が見えてたのは、物心がついた時からだった


『怖い』『一緒に逃げよう』『助けて』と1人叫ぶ私を周りの大人、友達は嘘つきと呼んだ



その時、幼いながらに"変なもの"に出会うことよりも、独りになる方が余程怖いということを理解した




もう"嘘つき"と呼ばれないように


誰にも信じて貰えないから


他の人に"変なもの"が見えることは内緒にした







｢こいつ、昔幽霊が見えるって言ってたんだぜ！｣

｢うっわ！気持ち悪ぃ！近寄んなよ！！｣


指をさしていう彼らの後ろにも、"変なもの"がいると言うのに


『危ない』と叫びそうになる口を抑える




そんなことを何度も繰り返していたら







声が出なくなりました











それは中学に入っても同じことだと、思っていた


水色の会話用ノートをもって廊下を歩いていると曲がり角で男の子とぶつかった



どこの少女漫画だよ



｢いてて...

ごめん蘭奈さん、大丈夫？｣



打ってしまった所を擦りながら《ごめんなさい》と既に書いてあるページを見せた



｢あ、喋れないんだっけ？｣



視界のピントを合わせると、彼が同じクラスの虎杖くんだということがわかった


運動能力がずば抜けてるって話を何度も耳にしたことがある


喋れない、という問いにコクコクと頷くと次に彼はとんでもない質問をした



虎杖｢確か幽霊が見えるとか見えないとか？｣



その噂を知っているのであれば嘘つきだと言って逃げていく人がほとんどである



『《見えるっていったら、信じてくれるの？》』


普段見る光景異なっていたためか、そんな質問をしてしまった


虎杖｢ってことは、見えんのか！？

すげーな！｣



"すごい"...？

唖然とする私に気づいていない虎杖くん



虎杖｢あー、でも信じるかって言われたらどうだろ

俺見えないからなぁ


蘭奈さんが見えるってことは他にも見えるヤツいんのかな？｣


信じてくれるかどうかは置いておいて

この人は、バカにしないんだ


そう思うと涙が出た














しばらくしてずっとそばに居てくれた彼に『《ありがとう》』を伝える


彼は不思議そうな顔をしたあとに｢どういたしまして｣


輝く笑顔でそう言った

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