きっかけはカラフルな、、、 7

赤い電車 ページ11

「オレからかけるな。」



ツリーの周りは、映えスポットと名打つだけあって、写真を撮っている人がたくさんいる。



だから、閉店時間が過ぎているショップの辺りへ向かう。



人通りも少なくて静かやし。



ネイルサロンの隣、休憩スペースのようなものがあり、カラフルなかわいらしい椅子が並んでいたからそこに座る。



「、、、ええの？」



「別れて後悔せんかって？

そうやな、、、好きでもないのにずるずる付き合ってしまっていたことに後悔やからな。大丈夫。」



9時過ぎ、まだ寝てはいないだろう。



彼女の名前をタップし、1コール、2コール。



「もしもし〜？」



テンション高めの彼女の声。



「大毅、あのね、」



話を遮るように大きく息を吸って、



「ごめん。別れてくれ。」



電話の向こうは、少しの沈黙の後、鼻を啜る音がし始めた。



「別れるって、、、どうして？

急に、、、明日、婚約指輪見に行くって言ってたじゃん。」



「理由は、、、。」



神ちゃんと目が合う。



「付き合った頃から二股かけてたよな。

最近になりオレは仕事が上手くいっている、反対にもう1人のヤツは、、、。

だから、オレと結婚しようと思った。違う？」



超情け無い話。



神ちゃんは、眉間に皺寄せて気まずそうな顔してる。



当たり前か。



「違う！大毅だけ！私が好きなのは大毅だけだもん！！」



泣きながら言うてる言葉も、心には全く響かへん。



「そいつとも関係切れてへんのに？

オレ、知ってんで。オレが出張でいない3日間、、、。」



「誤解だって、、、あれは、、、大毅が考えてるようなことじゃない！」



「なぁ、考えて？

これから一生一緒に生きようという人間に、そのスタートライン立つ前に嘘つかれてんねんで？

そんなんで、幸せにしたいなんて思える？思えへんやろ。

オレは無理。」



嫌だ、別れたくない、と子どものように駄々をこねてるけど、オレは無理やって言うてるやん。



これだけ言うて、まだやり直せると思うのだろうか、、、。



電話をかける前は、泣かれたらどうしようか、なんて少しは考えていたけども今はもうそんな風には思わない。



全く。

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