きっかけはカラフルな、、、 6

マリンブルー ページ40

「コイツが変な言いがかりをつけてきただけだ！！

オレを陥れて楽しいか！？

お前の出世が約束されているのか？

ふざけんな！！」



部長は椅子を蹴り付けて怒鳴った。



反対にシゲは落ち着いた声で、



「ふざけるなはこっちのセリフです、部長。」



って。



部長は肩を上下させて興奮状態のままだ。



「若い女の子にセクハラして、それを邪魔されたから今度は脅し。

神山にまで手出そうとしてたでしょ。

口外できへんように。

最低ですね。」



言い終わる前に部長は唸り声を上げてシゲに殴りかかった。



止めようとした時にはもう遅く、シゲは壁まで吹き飛んだ。



椅子をなぎ倒し壁にぶつかる派手な音がする。



シゲは、左頬を押さえながら立ち上がった。



唇の端が切れているようで、血が流れている。



シゲ、、、。



「加えて暴力ですか、、、。

報告させていただきます。証拠と一緒に。」



「お前たちみたな若造の話なんか誰も信じるもんか！！

証拠？

そんな携帯の音声なんか、」



「映像も。今の映像も一緒です。」



扉が大きく開いて流星が顔を出す。



手にはスマホ。



「部長、、、尊敬していただけに、、、残念です。非常に。」



言葉ではない何かを叫び、部長は壁をひと殴りして、部屋を出て行った。



「神ちゃん！」



シゲが駆け寄ってきてくれた。



「大丈夫か？」



オレなんかよりシゲの方が大丈夫じゃないやん、、、。



「ありがとう、、、。」



やっと出た声にシゲが少しだけ安心したような顔をした。



「流星、望には彼女についているように言うてあるよな？

流星は部長をお願い。

オレと神ちゃんで報告してくるから。

神ちゃん、立てる？」



頷いて、シャツとネクタイを直す。



腕を引いてシゲが立ち上がらせてくれた。



そこからは、シゲの後ろ姿をぼんやり見て、聞かれたことを話しただけ。



途中から流星とのんちゃんに連れられてきた彼女も加わった。



証拠がありすぎて、コンプライアンス部の人達も驚きつつ淡々と進めている感じ。



ただオレの頭の中は、、、シゲの声を久しぶりに聞いたな、って。



シゲのこんな真剣な顔、初めて見たな、、、。



時々、心配そうな顔でオレのこと見てくれるなぁ、、、。



シゲのことでいっぱい。



それだけだった。

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