あの海が見える場所 26

Hyogo 緑 ページ31

徐々にオレンジ色に染まる水平線を見てたら、手を取られデッキチェアに腰掛ける。



2人で一つの椅子に。



シゲの足の間に座って、後ろから抱きしめる感じ、、、え？隣の部屋とかから見られへん？



気になって、横目で柵の右側を見ようとしたら、



「見えへん。」



って、そのまま右手で抱き寄せられてキスをした。



深く、ゆっくり。



優しく、何度も。



外やし、隣から見えるかも知れへんし、、、。



けど、そんなことはどうでもいいくらい、夕陽はきれいで、その間のキスとシゲにドキドキして。



「神ちゃん、、、一緒におってくれてありがとう。

これからもよろしく。」



幸せな幸せな時間は過ぎていった。



辺りが真っ暗になった頃、ようやく少しだけ身体が離れる。



「19時から晩御飯予約してるんよ。

そろそろやな。

行こか。」



「お腹空いてきた。

昼、あれだけ食べたのにな。」



「神ちゃんにしては珍しく、おやつ食べへんかったからやない？」



「おやつって。子どもか！？」



「その通りやん。

話変わるけど、風呂どうする？」



風呂？



「ホテルの大浴場行くか、部屋で一緒に入るか。」



廊下を歩きながら小声なんは、多少配慮してるってことなんやろうけど、ニヤニヤが隠せてへんし。



「大浴場で。」



「OK。じゃあ、一緒に大浴場な。」



そうなるよな、、、男2人、大浴場に一緒に行くのに不自然はない。



「普通に入ってや。」



「普通って？」



「、、、その顔、あと半月で教壇に立つ人間がしたらあかん顔やぞ。」



「大丈夫です〜。

先生にもプライベートはあります〜。」



シゲならいい先生になる、そんな言葉は喉の奥に飲み込む。



ついでに、いい父親に、、、それも、、、。

Hyogo 緑→←Hyogo 緑

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す