あの海が見える場所 26

Hyogo 緑 ページ27

これは、、、ちょっと男2人では、どうなん？



ホテルの外観からしてそう。



それにロビーも。



白を基調とした明るい空間は、確かに日本じゃないみたい。



「すごいなぁ。ほんまに外国のどっかのホテルみたい。」



小声で伝えるオレに、そう？なんて言って、さっさとチェックインカウンターに歩いて行った。



大きな窓からは瀬戸内海がキラキラ光って見える。



近くに島が見え、その周辺を何艘ものヨットが浮かんでいる。



へぇ、、、夏にはSUPもできるんや。



流星がやってみたいって言ってたよな。



「お待たせ。行こう。」



少し離れたソファにはご婦人が座ってて、同じようにご主人が鍵を持って近づいている。



オレが彼女側なん？なんていうことに引っかかるのはとうの昔になくなった。



オレも男やし、けどシゲに任せるところは任せる。



意外とって言うたら怒られるかもやけど、ちゃんとしてるもん。オレよりも。



だから、オレも、



「ん。サンキュー。」



って甘える。



部屋の真正面の窓からは、さっきのロビーよりも高い分、青い瀬戸内海が広がって見える。



「すごいきれい、、、。

数日前でよくこんなええ部屋予約できたな。」



「たまたま。平日やし。

じゃなくて、、、。」



腕を引っ張られ真っ白なシーツの上に2人して倒れ込む。



「愛のパワーです。」



何言うてんねん。



そんなパワーで、観光シーズン前とはいえ、こんな良い部屋予約できるかい。



いや、、、そうかも。



オレに言うてすぐ予約してくれたんやろうし、ずっと前から検索してくれていたはず。



「愛のパワー、ありがとう。」



キスの合間そう言うと、すごくうれしそうに笑った。



けど、すぐに、



「さ、出かけるで。

ずっとこうしてたいけど。」



って、サッと立ってオレも。



「なんか知らんけど、ええ感じのスポットがあるらしいから。」



「なんやねん、それ。」



「干潮の時に島に渡れるらしいで。」



ホテルから海岸まではすぐ。



そこから船で島まで行くみたいで、20人くらいの宿泊客が船を待っている。

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