あの海が見える場所 26

Hyogo 緑 ページ22

「もう何でもええって。

こんなん、どれでも一緒やん。」



ネクタイ売り場でグズグズ言うのは想定内。



「アホ。結婚式やぞ。

世話なってるのに、オレらは特に。」



「それは、、、はい。その通り。

けどさぁ〜、わからへん。神ちゃん選んで。

任せた！！」



「最初からそのつもりやし。」



大人しく待っとけ。



あれからもずっと、卒業してからも気にかけてくれて、連絡もしてきてくれる。



変わったことないか、怖い目にあってないか、、、。



「それにしても、まさかハマちゃんが1番に結婚するとは思わんかったなぁ〜。」



「そう？ずっと付き合ってた彼女さんと卒業後も付き合って、遠距離も乗り越えて結婚。

誠実そのもの、ハマちゃん先輩らしいやんけ。」



「それはそうやけど。」



話している間もディスプレイされたものを見ながら、そして、時々シゲの首元にネクタイを当てながら選ぶ。



「さっきの方が似合ってた。

よし。シゲのは決まった。

オレのは、、、その隣にあったヤツにしよう。」



「決まった？

なぁ、神ちゃん、腹減らへん？昼飯食べよう。」



「シゲ、、、彼女とおったら喧嘩になるヤツ、それ。」



よく言うやん？「どっちが似合う？」って聞く彼女になんて言えば正解か、とか。



「ありがたいことに、ウチの彼女はそんなことで怒らんのです〜。

さ、オレはカレーの気分。ナン！本格的なやつ！どう？」



「カレー、ええな。

久しぶりにあの店行く？」



「いえ〜い！やっぱりウチの彼女は日本イチですなぁ。

会計、行ってくる。」



「え？自分の分くらい払うし。」



「ええよ、一緒で。

これから2人で使うことになるやん、こんなもん。」



棚から2本、手に持ちレジに向かう後ろ姿に思う。



彼女おったら惚れ直すヤツ、それ、、、って。

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