あの海が見える場所 26

Yokohama 赤 ページ3

横浜に観光やデートに来ているならここは一番のスポットだろう。



あぁ、そういえば、、、来たいって言われてたな、彼女に。



けど、学区の近くだからとか理由つけて来なかった。



最近も時々感じる視線。



ただ、それ以上はないからそのまま。



さっきも職員室出る前に一瞬目が合った気がした。



気のせいだと思うけど。



ランドマークプラザを進むと、1週間前とは違ってバレンタインから一気にホワイトデーに向けたディスプレイ。



クッキーだのキャンディーだの。



前を通りかかっただけで、



「ホワイトデーにいかがですか？」



って声かけられる。



その中の一件のお店、またチョコになるけどいいか。



ドライフルーツにチョコがかかっている。



逆も。チョコの中に刻んだドライフルーツがカラフルに散りばめられているのもある。



長い時間選んでるのも恥ずかしいし、適当に籠に入れ、レジへ行く。



「ありがとうございます。

プレゼント用にラッピングはいたしますか？」



「ラッピングまではいらないんですけど、ちょっと人に渡したいんで、、、。」



「かしこまりました。こちらの紙袋にお入れしますね。」



小さな紙袋を下げて駅へ向かう。



コスモクロックは18時10分、まだまだ余裕だ。



電車を待つ間に考える。



「これ、神ちゃん好きそうなのが売ってたから。」



とか、、、



「この前のチョコレート、もう食べてしまったやろ？」



とか？



無難にそれでいこう。



神ちゃんの喜ぶ顔が見たくて、神ちゃんにオレのことを思いながら食べて欲しくて、、、そんな思いは胸の奥にしまうしかない。



平日とはいえ、中華街には人が溢れる。



オレンジ色と赤色の明かりが通りを照らす。



油の美味そうな匂い、時々天津甘栗の甘い匂い、、、お腹は、、、減ったかな。



『神ちゃん、中華街に着きました。

土産物屋とか見て回るから大丈夫やで。

気を付け来てな。』



18時半、、、もうそろそろ職場を出ているかもしれない神ちゃんにメールを送る。



『ごめん、やっぱり行けそうにない。』



って謝るメールが来るならこのタイミングやろ。

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