あの海が見える場所 26

Yokohama 緑 ページ13

「ごめんお待たせ。

寒かったやろ？

かなり待った？」



「いや、オレもさっき来たところ。」



、、、なんて、まるで付き合いたての恋人たちみたいで涙が出そう。



早めやけど席に通してもらえた。



顔の倍はあるようなでっかいメニュー。



「餃子だけでもめちゃくちゃあるな。

お、ニラ蒸し餃子。と、これキレイやん。翡翠餃子。」



「オレは食べへんけど蟹とか海老の入ってるやつ頼んでな。

ほら、海老焼売、人気No. 1やって。」



そんなん言うても、シゲがなんて言うかなんて分かる。



「ええって。また今度食べる。

見て！麺だけでこんな種類ある！

横浜やしサンマーメン？

フカヒレそのまんま乗ってる。」



結局、頼み過ぎたと言いつつ、きれいにお腹の中に収まるから不思議。



「はぁ〜、、、お腹いっぱい。」



ネクタイ緩めて、1番目のボタンを外すシゲ。



ネクタイ、、、さっき乾杯したときに決めた。



どうするか。



お礼ってことにすればいい。



そうと決まればネクタイがプレゼントとして最適なんやないかと思えてくる。



次は、、、ワイシャツかも。



ネクタイとジャケットで隠れて見えへんと思ってるやろ？胸元のシミ、隠せてへんで。



ボタンも一つ取れかかってるし。



おかしくて、愛おしくて、、、なんか、悩んでるんがアホみたいに思えて、笑いが込み上げてきた。



「なんで笑うねん。」



拗ねて怒る顔も懐かしい。



「はい、これ。」



目の前に差し出した紙袋に不思議そうな顔してる。



「何？」



「この前のチョコのお返し。」



「そんなんええのに。」



「ええから。開けてみて。

シゲの趣味かどうかは、、、一応、今年の流行の形と色ではあるんやけど。」



「今年の流行なんかどこで調べんねん。

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