紅葉を纏う少女 (ページ20)

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紅葉が18枚ページ20

NOside

風丸と円堂が意気込んだものの、試合は一方的だった。

ディフェンスは次々と抜かれオフェンスはパスをカットされてしまう。
ボールは何度もゴールに突き刺さり、とうとう9点を取られてしまった。

みんな息が上がっている中、1人だけそうでない者がいる。

優羽｢･･･｣

紅月だ。
ただ笑って立っているだけで、彼女は未だに一歩も動いていないのだ。
しかし選手達にそれに気付ける程の余裕がある訳ではなかった。

夏未｢これじゃ前回と同じじゃない｣

春奈｢それに、どうして紅月さんは一歩も動かないんでしょう･･･｣

秋｢監督･･･｣

秋に目線を向けられ瞳子は立ち上がった。

瞳子｢紅月さん！！｣

優羽｢･･･｣

名前を呼ばれ、紅月はそちらを向く。

瞳子｢ボールをカットしなさい！｣

瞳子は紅月をまっすぐと見て頷き、もう一度ベンチに座った。

パンドラがドリブルで攻める。
紅月の目の前だった。

優羽｢･･･｣

パンドラ｢！！？｣

紅月を抜こうとしたパンドラだったが、次の瞬間＿＿＿＿＿

円堂｢えっ！！｣

レーゼ｢なっ！？｣

紅月は消えた。
いや、消えたのは紅月だけではない。
パンドラの足元にあったはずのボールも無くなっていた。

一之瀬｢あっ！｣

全員が一之瀬の視線を追う。

優羽｢･･･｣

パンドラの後ろに、確かにボールを持った紅月が立っていた。

その事に驚き、雷門もエイリア学園も完全に動きが止まった。

鬼道｢ハッ！｣

いち早く我に返ったのは鬼道だった。

鬼道｢紅月！土門にパスだ！｣

鬼道の声で全員がハッとして動き始める。

優羽｢･･･｣

紅月は土門にパスを出したがリームがカットし、またしても点を決められた。

これで10点目だ。