Stand by me！【朔間凛月】 (ページ4)

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よんページ4

「ちょっとこっちに来な」

見かねた泉がAに声をかけると、彼女は視線を上げただけで腰までは上げなかった。どうやら兄の言うことにしか従うつもりはないらしい。
彼女の態度に泉は一つため息を吐いて、渋々といった様子でAに近づく。

「ティッシュなんかじゃ止まらないから。このほうが早く止まる」
「ふぐ……」

問答無用でAの鼻をつまむと、Aは勢いに押されて息を止めた。
相当強く打ったのか、Aの鼻血はまだ止まる気配がない。

「くるしい」

しばらく大人しくしていたAが、小さく呟く。鼻は泉につままれたままだ。

「馬鹿なのぉ？口で息して、ほら」

泉に背中をさすられて、Aは漸く口呼吸を思い出した。突然のことに驚いて、口があることすら忘れていた。

そばでAと泉のやりとりを見ていた嵐が感心したように頬に手を当てる。

「泉ちゃんったら、面倒見がいいのねェ」
「血で衣装を汚されたら困るでしょ。こいつの兄もあの状態だし？ほんとに迷惑だよねぇ」

二人でAの兄に視線を移す。凛月は寝転んだまま起きる様子はない。
面倒な兄妹に巻き込まれてしまったと、泉は再度ため息を吐いた。