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【第弍拾話】 横浜:探偵社内:応接室 ページ27

「……説明、か。そうだな……

『現実の理論を度外視した力』で『個人により性質が変わる』
『持つべき者に宿った力』か?」

膝丸の説明だと、慥かに『異能力』に当てはまる。

「……えっと、じゃあ膝丸さん達は『異能力』の事を『巫術』と呼んで居るんですね?」

「……其方は『異能力』と呼んで居るのだろう?
最初に云ったが、俺達は『巫術』しか知らん。『異能力』は初耳だ」

唇に手を置いた侭、太宰が話した。

「……因みに『異能力』の説明をすれば、

『港湾には知られて居ない』『謎の能力』。
『異能力を持つ者は少なからず居る』程度ですが……

私も敦くんも『異能の者』です」

敦と自分の『太宰』と云う名は早々に知られて居ると見切りを付け、手を添えて指し示す。

『異能の者』――その暴露に、膝丸達は大きな反応を見せなかった。

「……僕には霊気の反応が全く判らないんですが……此の時代にはもう技術の礎は出来て居たんですかね?

【視る】限り彼等は一般人に毛の生えた程度ですけど……あっ、でも『普通じゃない何か』は混ざってますよね」

「俺達が判らない等有り得ないが……高度な陰術、だとしても……否、時代が違うからな。

俺達が知る呪術の初期型……若しくは試行段階ならば、例え小指程度の霊気でも使えたのかもしれん」

敦達を置いて膝丸と堀川は又会話を始める。

(……『れいき』、『冷気』?)

敦は目をぱちくり瞬きさせて、「……何かすれ違って居る様な?」と感じた。

「……僕等が判らないだけですかね?霊気は下の下の上位ですが……」

「……俺達が判らないなんて、有り得ない。
幾ら手負いだとは云え、俺達の本来の力は失われるものじゃ無い」

無論、『異能力』と『巫術』は全く違うものだ。

然し、膝丸達は『一般人』を見た事が無い。
刀剣男士は人に使えるものだとしても紛うことなき『神』だ。

だから、審神者には霊力の有る者しかなれない。

神である刀剣男士には、『普通の人間』に触れる機会が無い。
遡行した時代にはその時代の人間も居るが、干渉する事は禁止されて居る。

……だから、刀剣男士は『普通』が判らない。

太宰と敦には霊力が最低値の至って『一般人』だが普通の人間を知らない、見た事がない無い膝丸達には比べる事が出来ずに根本的な理解から齟齬が生じる。

加え、己が刀だった時代から何百、何千年と過ぎて居る。
持ち主と共に共有した知識等も古過ぎて役に立たない。

『一般』について、膝丸達は無知なのだ。

【第弍拾壱話】 横浜:探偵社内:応接室→←【第拾玖話】 横浜:探偵社内:応接室



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乙女になりたい。(プロフ) - お疲れ様でした!!とても楽しい作品でした!! (2020年10月11日 1時) (レス) id: a5fb63b44e (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - あやとりさん» お久しぶりです、僕の方こそ有難う御座います!続編も合わせ、是非とも宜しく御願いします……♪ (2018年3月10日 22時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
あやとり - 焼きまんじゅうさん» ふわぁ…私こそ毎回この作品を楽しませていただいき本当にありがとうございます!これからも頑張ってください! (2018年3月10日 20時) (レス) id: bfcb2a7bd0 (このIDを非表示/違反報告)
焼きまんじゅう(プロフ) - はい、複数人ならば構いませんよ!リクエスト有難う御座います……☆ (2018年3月10日 20時) (レス) id: 1eccbbab7e (このIDを非表示/違反報告)
優梨奈(プロフ) - 粟田口と三条(でもいいんですかね?)でお願いします! (2018年3月10日 20時) (レス) id: 7cf4248c7f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焼きまんじゅう | 作成日時:2017年10月9日 5時

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