第56回壁外調査5 ―兵長の指示とは… ページ5
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すると、グンタとエルドが横からやってきて、小声で声をかけてきた。
グ「お前ら、ここはもう壁外だぞ。もう少し緊張感持て。―というか、お泊りだったのか?」
エ「確かに気になる…が、後にしろ。第一もし兵長に聞こえでもしたら…」
すると、前を走っていたリヴァイが背を向けたまま、
「…オルオ、…俺の身体はそんなにやわじゃねぇぞ……」
全(…き、聞こえてた…ッ!?兵長、地獄耳ッ!?)
「てめぇら、気ぃ引き締めろよ…。俺に削がれたくなかったらな…」
リヴァイの低い声が、静かに響く。
全(…マジ怖い……ッ!!)
全「は、はい!!すみませんでしたッ!!気ぃ引き締めます!!」←
エ「!?…右前方、巨人発見!!2体です!!」
エルドが叫んだ。
リ「A、信煙弾だ。お前が撃て」
「はい!」
指示に従い赤い信煙弾を打つ。
放たれた緑色の信煙弾に従い、進路を変えていく。
しばらく馬を走らせ、今は小さな街の残骸に差し掛かっていた。
建物の数は少ない。
「うわああぁああぁあ!!」
突然、右翼端列の方角から悲鳴のようなものが聞こえた。
木々の向こう。
案の定、黒の信煙弾が上がる。
リ「…奇行種か……」
おそらく隣の班が交戦に入っている。
――が、程なくしてその奇行種が木々をすり抜け姿を現した。
奇行種と、そして、もう一体……
口の中には、血だらけの兵士を咥えたまま、こちらに向かってものすごい速度で走ってくる。
Aはそれを見て、ギリッと奥歯を噛みしめた。
周りには、数名の兵士達が馬に乗ったまま、並走している。
苦戦しているようだ。
あの人数では、奇行種を含めた二体を仕留めるのは困難だろう。
「兵長!!増援行きます!!」
Aが叫んだ。
リ「ここで仕留めとかねぇと、やっかいだな……。エルド、A、増援に向かえ!」
「はい!」
エ「…っはい!」
一足遅れて、エルドが返事をした。
Aの名前が呼ばれたことに、一瞬戸惑ったからだ。
ぺトラ達他のメンバーも、明らかに少し困惑した表情を見せた。
ぺ「兵長!…あの、Aの代わりに私が行きます!」
「……ペトラ?」
リ「あぁ?何ほざいてやがる。俺の指示に従え。…目的地の街はもうすぐそこだ。仕留めたら、真っ直ぐ来い。そこで合流する」
「「はい!!」」
Aとエルドが隊列を離れ、奇行種の方へ向かって行った。
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沙羅(プロフ) - 罍罍さん» 通知が来てなくて、つい今しがた気づきました!!(泣)遅くなってしまい申し訳ありません!長い作品を読んで下さり本当にありがとうございます!エロカッコいい(//▽//)そんな兵長が大好きすぎます(笑)応援ありがとうございます!今後も精一杯頑張ります! (2018年3月1日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
罍罍 - 今、最初から全部読んでます!ヤバイ!!!!!兵長がエロかっこいいです(//∇//)!これからも頑張ってください! (2017年12月31日 16時) (レス) id: 4203201650 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» りあさん!こんばんは!なんと通知が来ておらず、今頃コメントに気づきました〜(T□T)もう一ヶ月も前ですね!?レス遅くなってすみません!この作品を読んで下さって本当にありがとうございます!コメも☆も心より感謝です!完結まで精一杯頑張ります(>Д<)ゝ (2017年4月21日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 沙羅さんこんばんは♪そう言って頂けて良かったです、余計なお世話だ~って言われたらどうしようかと…汗)自分だとなかなかこういうの気付きにくいですよね!読む側としては、読んで、コメして、お星様☆つけてというのがせめてものお返しなので♪今日、4読み終えました (2017年3月26日 22時) (レス) id: 33f147918f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» こんばんわ!早速修正しました〜ヽ(;▽;)ノ更新前にチェックしてるはずなのに、自分では気づかなかったリ、後々になって気づいたり…(T∀T)こうして教えて頂けるのはありがたいです!本当にありがとうございます! (2017年3月25日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
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