現実の重み ページ30
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「もし、アイツが調査兵団に入団することになったとしたら、俺がアイツを管理することになる。そして、ヤツがもし暴走したり、裏切るようなことがあれば、…――俺がヤツを殺す」
「………え…?」
一瞬、リヴァイが何を言っているのかわからなかった。
リヴァイがエレンを殺す……?
「…それが、ヤツを請け負う上での条件だ」
「……そんな…」
「…まあ、そういう状況が起こらない事を、俺も願うがな。…だが、覚悟はしておけよ」
リヴァイの眼は真剣だった。
もちろん、冗談でこんなことを言うわけない。
そんなの理解したくないし、できれば受け入れたくない。
だが、一方で、リヴァイの言うことを理解している自分がいた。
エレンの力が不確定な以上、監視は必然的なものとなる。
誰かがその役を担わなければならない。
調査兵団の中であれば、実力トップとなるリヴァイがその役割を担う。
それが現実、―――そういうことなのだ。
「……わかった。…覚悟は……しておく」
小さく呟いたAの瞳は虚ろだった。
そんなAに、リヴァイは言葉を続けた。
「だが、それと同時に、アイツを守ることも大事な役目になるだろうな。人類の希望の光として…な」
「…………」
リヴァイの言葉に、Aは改めてハッとさせられた。
トロスト区の奪還
人類の初めての勝利
人類の希望の光
エレンにこれからどれだけの重圧がかかっていくのだろう
ましてや、わからない未知のことだらけ
でも、人類が前に進むには、エレンはその謎に挑むしかない
自分に、そんなエレンを支えることができるだろうか…
Aをまた不安が襲った。
「…おい、…聞いてるのか?」
リヴァイの声にハッとする。
「ッ……聞いてるよ。…ちゃんと聞いている。理解…してる」
「……ならいいが…」
不安な表情を拭えないAを見ながら、―――リヴァイは、また苛立ちを感じた。
何への苛立ちなのか、自分でもわからない
ただ、その瞳をこちらに向けさせたい
こんなに近くにいるのに、…まるで自分を見ていないようで……
そんな小さなことで、イライラを募らせる自分に、また苛立ちを感じる
これは嫉妬なのか
俺は馬鹿なのか
俺はこんなに自分勝手な餓鬼だったのか
俺はこんなに我儘なヤツだったのか……
そんな自問自答よりも先に、身体が動いていた……。
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沙羅(プロフ) - 罍罍さん» 通知が来てなくて、つい今しがた気づきました!!(泣)遅くなってしまい申し訳ありません!長い作品を読んで下さり本当にありがとうございます!エロカッコいい(//▽//)そんな兵長が大好きすぎます(笑)応援ありがとうございます!今後も精一杯頑張ります! (2018年3月1日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
罍罍 - 今、最初から全部読んでます!ヤバイ!!!!!兵長がエロかっこいいです(//∇//)!これからも頑張ってください! (2017年12月31日 16時) (レス) id: 4203201650 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» りあさん!こんばんは!なんと通知が来ておらず、今頃コメントに気づきました〜(T□T)もう一ヶ月も前ですね!?レス遅くなってすみません!この作品を読んで下さって本当にありがとうございます!コメも☆も心より感謝です!完結まで精一杯頑張ります(>Д<)ゝ (2017年4月21日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 沙羅さんこんばんは♪そう言って頂けて良かったです、余計なお世話だ~って言われたらどうしようかと…汗)自分だとなかなかこういうの気付きにくいですよね!読む側としては、読んで、コメして、お星様☆つけてというのがせめてものお返しなので♪今日、4読み終えました (2017年3月26日 22時) (レス) id: 33f147918f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» こんばんわ!早速修正しました〜ヽ(;▽;)ノ更新前にチェックしてるはずなのに、自分では気づかなかったリ、後々になって気づいたり…(T∀T)こうして教えて頂けるのはありがたいです!本当にありがとうございます! (2017年3月25日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
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