瞳の奥 ページ29
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Aが作業を終え、兵士長室に足を運んだのは、もう夕方近くだった。
ドアをノックしたが、返事はない。
そっとドアを開けて、中を確認するが、リヴァイの姿はなかった。
きっと今頃、団長やハンジさん達と話し合いをしてるんだ……
リヴァイの言ったように、ここで戻ってくるのを待っていよう
そう思って、部屋に入りソファーに座ろうとしたときに、ドアが開いた。
「リヴァイ!!」
ドアから入ってきたリヴァイを見て、Aは思わず駆け寄った。
「エレンは!?元気にしてた!?団長はなんて言ってた!?エレンはどうなるの!?」
Aの勢いに押され、リヴァイは思わず面食らったような顔でAを見やった。
「…おい、落ちつけ。お前が取り乱してどうするんだ」
気づくと、Aはリヴァイの胸元の服を、ギュッと両手で掴んでいた。
ハッとして手を離す。
「…ごめん。ずっと心配してたから、つい…」
「…とりあえずソファーに座れ」
リヴァイに促されて、ソファーに座る。
リヴァイもAの隣に腰を下ろした。
「一応、ヤツの話は聞いてきた。ヤツは調査兵団へ入りたいそうだ。…エルヴィンやハンジ達とも相談して、調査兵団に入団させる方向で話は決まった」
「本当に!?」
「…ああ。だが、…おそらく憲兵の奴らがこのまま黙っているとは思えねぇ。この流れだと、数日後に審議が開かれる。そこで、ヤツの今後が決まるだろうな」
「…審議?それって裁判みたいなもの?」
「そうだな。…勝負と言えば、その時になるだろうな…」
「………」
じゃあ、まだ安心はできない、ということか…
Aの表情がまた曇る。
「あの、…エレンは元気にしてた?」
「…ああ。まぁ、最初は状況が掴めなくて、怯えたツラしてたがな……。だが、お前が言ってた、会えばわかる、って意味は……なんとなく理解できた」
『調査兵団に入って、とにかく巨人をぶっ殺したいです!!』
そう言った時の、ヤツのギラギラとした瞳
あれは、おそらく…本物
本物の…『化け物』の眼―――
あれなら、ある程度の脅威に直面しても、怯まないだけの精神力を持っているだろう。
そう思わせた。
自分で言うところの、悪くない…という心証だ。
クソガキは、クソガキだが…
「…それは、いい意味で?」
「…ああ、たぶんな。…あと一つ、お前に先に言っておくことがある」
そう言うと、リヴァイはAの瞳を見据えた。
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沙羅(プロフ) - 罍罍さん» 通知が来てなくて、つい今しがた気づきました!!(泣)遅くなってしまい申し訳ありません!長い作品を読んで下さり本当にありがとうございます!エロカッコいい(//▽//)そんな兵長が大好きすぎます(笑)応援ありがとうございます!今後も精一杯頑張ります! (2018年3月1日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
罍罍 - 今、最初から全部読んでます!ヤバイ!!!!!兵長がエロかっこいいです(//∇//)!これからも頑張ってください! (2017年12月31日 16時) (レス) id: 4203201650 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» りあさん!こんばんは!なんと通知が来ておらず、今頃コメントに気づきました〜(T□T)もう一ヶ月も前ですね!?レス遅くなってすみません!この作品を読んで下さって本当にありがとうございます!コメも☆も心より感謝です!完結まで精一杯頑張ります(>Д<)ゝ (2017年4月21日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
りあ - 沙羅さんこんばんは♪そう言って頂けて良かったです、余計なお世話だ~って言われたらどうしようかと…汗)自分だとなかなかこういうの気付きにくいですよね!読む側としては、読んで、コメして、お星様☆つけてというのがせめてものお返しなので♪今日、4読み終えました (2017年3月26日 22時) (レス) id: 33f147918f (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - りあさん» こんばんわ!早速修正しました〜ヽ(;▽;)ノ更新前にチェックしてるはずなのに、自分では気づかなかったリ、後々になって気づいたり…(T∀T)こうして教えて頂けるのはありがたいです!本当にありがとうございます! (2017年3月25日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
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