人類最強と私の恋愛事情4―希望の行方―【進撃】【リヴァイ】

第56回壁外調査15 　　―リヴァイside　 ページ15

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リヴァイの言葉で、Aはだいぶ落ち着きを取り戻したようだった。

表情もさっきまでとは違う。
いつもの力強い瞳に戻っていた。

それを見て、リヴァイは少しだけほっとした。




Aに言った通り、今はとにかく無事に壁内に戻り、そして状況を確認することが先決だ。

そうしないと何も始まらない。



そんなことを考えながら、さっき街で戦っていたときにAと交わした会話を思い出す…

口が滑った…と、内心少し後悔していた




何故、『嫁』なんて言葉を出してしまったのか…

アイツが慌てる様子が見て取れた


それは、……少なからず期待している、ということか…？




だが、今の自分には、―――…どうしてもその選択肢は考えられない

これも自分の身勝手だ



それは、…調査兵団や兵士長という立場とは、関係なく…




女というものは、やはり結婚して、家庭を持つことに憧れるのだろうか…？

まともな環境で育ってこなかった自分には、正直想像もできない



それに家庭を持つなんて、到底自信がない…

ましてや、人の親になるなんて

まともじゃない人生を送ってきたこんな俺に、できるわけがねぇ…



いやいや、考えすぎだ

リヴァイは一人、小さく唇を噛みしめる。




何を一人で先走って考えているのか…


それに、今は壁が本当に破壊されたかどうか…だ


もし、ウォール・マリアまで突破されていたなんてことになれば、こんなことで悩んでる暇なんて本当になくなるな…



そんなことを思いながら、リヴァイはもう一度馬を走らせているAの方を見やった。
僅かに目を細める。




お前の幸せを、誰よりも願っているのに、

俺にはお前を、…幸せにしてやることができねぇかもしれねぇ…




そんなことを思った…。





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