悔恨 ページ10
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あの時…
俺は、女型を仕留めることを諦めた
自分がそう判断した
間違ったとは思っていない
エレンを取り戻すことが最優先されるべきことだった
その結果、女型を逃すことになったとしても…
そう思ってはいるものの、痛みと共に胸が疼く。
それは、女型を逃したという事実とは違う場所から起因する痛み…。
グンタ、エルド、オルオ、ペトラ…
失いたくなどなかった
できることならば、せめて仇だけでもとってやりたかった
同じようにヤツも切り刻んで、殺してやりたかった
だが実際は、仇をとるどころか、その亡き骸すら家族の元へ帰してやることさえできず…
これまでもそうだった仲間達は数えきれない程いる
それがわかっていても…
自分の無力さ加減に心底腹が立つ。
無意識に握った拳が小さく震える。
だが、どう
現実は変えられない
時は止まってくれない
ただ残酷に時は刻まれてゆくだけ
『現実』という時を…
そして今、目の前には…。
最愛の人が、一命を取り留めはしたものの、目を覚ますことなく生死の境をさまよい続けている。
A…
重ねた指先にギュッと力を込める。
お前まで…失っちまったら……
そこで思考を無意識に止める。
この二日間、この作業を何度も繰り返してきた。
そんなわけねぇ
必ずAは目を覚ます
必ず…
拭いきれない不安を押し込め、自分に言い聞かせる。
必ず目を覚ます
必ず…
そう繰り返す。
胸の痛みに耐えるようにわずかに目を伏せた時、ふいに視界が霞んだように感じ、リヴァイは反射的に軽く頭を横に振った。
壁外から帰還して以降、ほぼ睡眠らしい睡眠をとっていない。
食事らしい食事も摂っていない。
ずっとAの側に付き添っていた。
忙しく動き回っている上司の代わりに、エルヴィンやハンジの部下達が入れ替わりで様子を見に来ては、食事を持ってきたり、少しは休んで下さいと気遣ってゆく。
テーブルの上には今朝ニファが運んできた朝食が、手つかずのまま残っていた。
正直、自分の身体などどうでもよかった。
ただ、Aが目を開けてくれさえすれば、どうでも…――――
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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