永遠の彼方 ページ49
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広場に残ったリヴァイは、小さな光の粒が夜空に舞い上がってゆくのを一人じっと見つめた。
立ち昇る炎が辺りをオレンジ色に染めている。
愛する人は姿を変え、煙となってこの世から消えてゆく
もう触れようとしても、その身体はこの世に存在しない
だがそれでも、最期にAに触れた時の感触が、まだこの手に、この指に、はっきりと残っていた
優しい肌の感触も、やわらかな髪の毛の感触も…
愛しい声も、笑った顔も、泣き顔も、その綺麗な瞳も…全て鮮明に覚えている
なのに、もうAは自分の側にはいない
もう決して手の届かない場所にいってしまった
きっと、失ったものの大きさを思い知るのは、これからなのだろう
そう思う
―――…強さが全て
あの男が言っていた
自分も少なからずそう思っていた
生き残る為に
自由を手に入れるために
だが結局、強さを手に入れたってこの手で守れたものは何一つない
自分にとって、一番大切な人でさえも
失うことが怖かった
散々失ってきたくせに
今なら少しだけわかる
Aは”あの時”、全てを覚悟していた
それでもAは…
ならば俺は進むしかねぇ
これが、俺達の運命だったとしても
後悔はしない
絶対に
この運命が俺の罪であり、業だというのならば
いくらでもこの身に罰を受けてやる
決して諦めない
お前の為にも
お前との約束を果たす為にも
『海』を見るまでは必ず、生き延びてやる
たとえ、どんなことがあろうとも…
だから、A…
どうか見守っていてくれねぇか…？
握っていた手の平をゆっくりと開くと、リヴァイの手の中で星型のキーホルダーが小さく光っていた。
お守りだと言って最期までAがずっと身につけていた、二人の思い出の品だ。
俺は決して忘れない
お前と過ごした日々を
生と死の狭間で生きる俺に、お前が与えてくれた全てを
そしていつか…
俺が必ず見つけ出してみせる
お前がどこにいようと、俺が必ず
それがたとえ、永遠の彼方だとしても…
だから、それまで待ってろ
俺が迎えにいくまで
約束だ…
ゆっくりと見上げた夜空には、綺麗な星たちが見守るかのように静かに瞬いていた。
愛してる、――――A…
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・
・
―fin―
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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