夕暮れの街 ページ46
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綺麗な暁色が西の空を染めている。
その空が少しづつ色を変え、夜の帳がゆっくりと降りはじめる。
深い藍色が暁色に溶け込み一つ二つと小さな星が輝き始める頃、リヴァイは黒いスーツ姿で兵舎近くにある広場の片隅に佇んでいた。
目の前に安置された木製の棺の中には、安らかに
静かに瞳を閉じたままのAは、白く透き通るような肌をしていた。
生きている者とは違う肌の色。
それを自分はよく知っている。
胸の前で手を組んでいるAの身体を覆うように、リヴァイは調査兵団の紋章が描かれた緑のマントをその上へとゆっくりとかけた。
「…こんなことしかできなくて、…すまねぇな、…A……」
棺は、リヴァイが無理を言って用意させたものだった。
いや、むしろエルヴィンは率先して手配してくれた。
そんなことをしていられる状況ではないにも関わらず…。
あの後…
調査兵団が用意していた罠も突破され、もう打つ手がないかに思われた。
そこへ巨人化したエレンが現れ、女型に襲いかかった。
巨人化したエレンの威力はすさまじいものだった。
自我を保っているのか疑わしい程に…。
狂気を纏ったエレンの巨人の力に、女型はほとんど反撃もできないまま逃げる形となった。
それを、エレンはもちろん許さなかった。
力づくで女型を押さえつけ、骨をかみ砕き、腕を引きちぎり、首を喰いちぎった。
街が赤に染まった。
だが、女型の正体であるアニを捕獲する寸前、アニの身体は突然謎の結晶体に包まれた。
何も、言葉を発することもないまま。
ただ、謎だけを残して…。
そして、それだけでは終わらなかった。
――剥がれた壁の一部から現れた、壁の中の巨人。
――104期生を預かっている班からもたらされた、『ウォール・ローゼが突破された』という知らせ。
事態は急速に変化していく。
しかも、人類にとって最悪の方向に…――。
リヴァイはそっと手を伸ばすと、Aの頬に優しく触れた。
もう、こうして触れることさえもできなくなる。
その姿形さえ、この世から消えてなくなってしまう。
込み上げる感情が行き場を失い溢れ出しそうになるのを、リヴァイは無意識に抑えていた。
ただ強く奥歯を噛みしめる。
悲しそうな瞳が揺れていた。
「…リヴァイ！…間に合ってよかった」
後ろからかかった声にゆっくりと振り向くと、そこには白い花束を抱えたハンジの姿があった。
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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