雷鳴 ページ45
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―――『…仕方ないでしょ。世界は残酷なんだから…』
地下道から飛び立つ間際、ミカサが口にした言葉が蘇る。
そうだ…
思い出せ
自分は何を失った
アイツらのせいで、何を失った
アイツらは、俺から何を奪った
母を奪い
仲間を奪い
大切な人達を奪い
そして、Aさんまで…
「ッ…グッ……」
身体を起こそうと全身に力を入れると、骨が砕ける音がした。
突き刺さった胸からは鮮血が勢いよく吹き出し、手足がバラバラになりそうな感覚に襲われる。
それに構わず、エレンは上体を強引に引き起こした。
脳裏には、Aの笑顔が蘇る。
どうして…Aさんが……
文字通り走馬灯のように、Aと過ごした時間がエレンの頭の中を駆け巡った。
初めて出会った時のこと。
共に過ごした訓練兵の時代のこと。
裁判の日。
怪我の手当てをしてくれたこと。
古城で一緒に過ごした日々。
巨人化実験の時のこと。
そして、巨大樹の森でのこと…。
いつも心配してくれていた。
自分のことを気にかけてくれて、優しくしてくれた。
自分が落ち込んでいるときも、いつも励ましてくれて、声をかけてくれた。
いつも笑顔で、いつも元気をもらって、いつも…
Aさん…
あなたが、兵長の恋人だってことはわかってた
それでも、俺は
貴方のことが…
――好き…だったんだ…ッ――――
「ッ…アアァアアアァァアアアア――――ッ！！！！！！！」
全身を稲妻が駆け巡る。
周囲に積み上がっていた瓦礫に亀裂が走り、勢いよく弾け飛んだ。
エレンの瞳から、再び大粒の涙が溢れ出していた。
好きだった…
Aさんのことが
だから
守りたかった
どうしても貴方のことを守りたかった…
何故、Aさんが死ななければならない
何故、殺されなければならない
理由なんて知らない
何が正しいかなんて関係ない
許せない
許せるはずがない
絶対に
許さない
殺してやる
コロシテヤル
絶対に
アイツを
コロス…―――――ッ！！！！
視界が一瞬にして白い閃光に染まる。
一筋の雷鳴が、大地を大きく揺るがしていた。
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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