理由 ページ41
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喉まで出かかったその名前を、リヴァイは無理矢理飲み込んだ。
空中で危くバランスを崩しそうになり、咄嗟にアンカーを放つ。
近くの屋根の上に着地した瞬間、痛めた足首に激痛が走り、思わずガクリと膝をついた。
「ッ…――」
――Aが、いるはずがない…
わかりきった事実。
なのに、その幻影を見たことに愕然とする自分がいた。
もうこうして、立体機動で一緒に飛ぶこともできはしないのだ。
当然だ。
Aはもうこの世にはいない。
Aは死んだ。
殺された。
ヤツに殺された。
そして、俺に…―――
「―兵長ッ！」
名を呼ばれ思わずハッとする。
急に着地したリヴァイを心配し、駆けつけたのはジャンだった。
「大丈夫ですか！？もしかして、怪我した足の調子が悪いんじゃ…――」
確かに痛みはある。
いや、傷が悪化しているのは確実だろう。
元々立体機動を使うこと自体に無理がある状態だ。
だが奥歯をグッと噛みしめると、平静を装いリヴァイはゆっくりと立ち上がった。
「…いや。大丈夫だ」
冷静になれ
一瞬のミスが命取りになる
それは自分が一番わかっている
今ここで、自分が死ぬわけにはいかない
ヤツを仕留めるまでは絶対に
その為だけに、今自分はここにいるのだから…
「ハンジの班が待機している場所までヤツを誘導するぞ。このままじゃ捕獲は無理だ」
そう言った後、リヴァイは言葉を付け加えた。
「…それに、エレンの姿が見えねぇな」
捕獲に失敗し女型に巨人化してしまった場合、エレンが巨人化し捕獲に加わる予定だったはずだ。
女型に殺られてしまったのか、あるいは…
「…兵長、あそこにッ！」
そう言ったジャンが指差す方へと、リヴァイは視線を移した。
瓦礫に埋もれたエレンの姿と、それを助け出そうとしているアルミンの姿を視界に捉える。
「あのバカッ！一体何やってんだ！？」
ジャンに続き、リヴァイも二人の元へと立体機動で駆けつけた。
「アルミン！どうなってる！？」
瓦礫の中に埋もれたエレンの胸には、木材が深々と刺さっていた。
普通の人間ならば致命傷だ。
「ジャン！兵長！！…巨人化は失敗です。できなかったんです。たぶん…女型の正体がアニだったことがブレーキになって…」
「はぁッ！？ふざけんなよ！」
アルミンの説明にジャンが食って掛かる。
リヴァイは無言のまま眉間のシワを深くした。
こんな状況でなければ、間違いなく殴り飛ばしていただろう。
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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