銃口の先 ページ39
・
「動けるものは全員現場へ向かえ！」
馬車から降りたエルヴィンが指示を出す。
「…一体どういうことなんだ…。どうして…何故、巨人がこんなところに…ッ」
憲兵らは事態が飲み込めず、その光景にただただ呆気にとられている様子だ。
無理もないだろう。
ここは壁内だ。
しかも、壁が壊されたわけでもない。
「エルヴィン、一体どういうことだッ！？」
動揺したナイルが、エルヴィンに向かって銃をつきつける。
それに対し、リヴァイが鋭い視線を向けた。
「…ナイル。お前の脳みそはその薄ら髭みてぇにスカスカか？…現実をよく見るんだな。銃口を向ける相手が違うだろ」
「兵長ッ！遅くなりました！」
一人の兵士が立体機動でリヴァイの近くに着地した。
ケースを開くと、そこにはリヴァイの立体機動装置が納められていた。
リヴァイが事前に指示していたものだ。
それを見て、エルヴィンが一瞬だけ目を見張る。
「リヴァイ、お前は……動くな、と言っても無駄か」
立体機動装置を装着するリヴァイを制止しかけたが、エルヴィンは途中で言葉を変えた。
「…わかってるなら言うんじゃねぇよ」
目の前に仇がいるのだ。
今のリヴァイにじっとしていろというのは、酷な話だろう。
それは、わかっているつもりではあるが…。
「…リヴァイ、無茶はするなよ。お前に今、死なれるわけにはいかない」
「……あぁ。わかっている。無茶はしねぇよ。…たぶんな」
「団長ッ！俺も行きます！」
エレンの変装を解いたジャンも、立体機動を身につけ二人の元へ駆けつけた。
「ッ…リヴァイ！勝手な行動は許さん！動くな！」
立体機動で飛び立とうとするリヴァイに向けて、今度は銃口がつきつけられる。
「…ナイル。銃を向ける相手が違うと言っただろうが。…エルヴィン、あとは任せたぞ」
「…あぁ」
ナイルを一蹴すると、リヴァイは立体機動のアンカーを放った。
ジャンがそれに続く。
憲兵の馬鹿どもの相手は、エルヴィン一人で十分だ。
そんなことに時間をとられている余裕などない。
・・・
立体機動で女型の元へと向かう。
女型を制止させようと、仲間達調査兵が立体機動で立ち向かっている姿が見えるが、どう見ても一方的に虐殺されている、といったところだ。
立体機動の動きを熟知している相手に対して、圧倒的に不利であることはわかっている。
女型の正体は、104期生―アニ・レオンハート。
アルミンの推理は正しかった…。
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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