犠牲者と生き残った者たち ページ23
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誰も…失いたくなどなかった
それは痛い程わかっている
その思いは、自分もエレンも変わりはしない
エレンが背負っているものの肩替りは俺にはできない
自分で乗り越えるしかない
それがどれ程過酷なことであろうと…
上に立つ者は、兵士を死地へと追いやる
これまでも、数え切れない程の仲間の死を目の当たりにしてきた
救えなかった命がどれ程あったのか
そして、犠牲にしてきた命がどれ程あったのか…
ある意味においては、その命を奪ってきたといっても…過言ではない
エレンは俺達とはまた別の意味で、仲間の死を見ていくことになるだろう
本人が意図せずとも…
”戦いに犠牲はつきもの”
そんな使い古された言葉を盾にしなければ、自分達はあの脅威に立ち向かうことさえできない
仲間の命を犠牲にして前に進んでゆく
それができなければ、戦えない
たとえそれが、自分の…――――
痛みに耐えるように、リヴァイはゆっくりと拳を握りしめた。
その時、兵長…とエレンから声がかかる。
「ひどいこと言って…本当にすみませんでした…」
「…別に、ガキの言うことなんざ気にしちゃいねぇよ。…少しは落ち着いたか？」
涙を拭い、エレンが顔をあげる。
「…はい。俺…自分ができることを考えます」
「…ならいい。お前がそんなんじゃAも心配してるぞ」
「…そう…ですよね。俺、もっと強くなります！もっと…」
その時ドアをノックする音が二人の耳に入った。
一礼して入って来たのは二ファとミカサだった。
「あの、エルヴィン団長がリヴァイ兵長をお呼びです」
「…エルヴィンが？」
ニファの言葉にリヴァイがわずかに眉間に皺を寄せる。
「エレンも一緒に来て」そう言ったミカサが、エレンの顔の傷を見た瞬間血相を変えた。
「エレン！その傷どうしたのッ！？」
「え…？ああ、これは別に…」
誤魔化すエレンを無視して、ミカサは既にリヴァイを思い切り睨みつけていた。
なんか文句でもあるのか、とでも言いたげにリヴァイも睨み返す。
そんな二人を見て、エレンは慌ててミカサに駆け寄ると腕を引っ張った。
「俺達先に行ってます！ほら行くぞ！」
「兵長、Aさんの付き添いは私が代わります。…緊急の会議だそうです」
「…わかった。少しの間だけ頼む」
ニファの言葉にリヴァイが頷く。
Aの頬に優しく触れ、「すぐに戻ってくる」そう言い残すと、リヴァイは部屋を後にした。
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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