選択するということ ページ21
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「…そんなの聞きたくねぇんだよ」
そう呟いたリヴァイの鋭い視線が、痛いほどエレンに突き刺さる。
痛い
胸の奥が痛くて痛くて、痛みでどうにかなってしまいそうな程に
責められたい…―――？
…そうなのかもしれない
全ては自分のせいだと
それを自分で認めるのが怖いくせに
「…どう…して……っ」
絞り出すかのような声がエレンの口から零れた。
結局、何もできなかった自分が悔しいだけ
無力な自分が許せないだけ
自分の弱さも
自分の甘さも
自分の非力さも
何もかも
どうして
どうして
どうして…――――
「…どうして…こんなことに…――ッ。なんで、皆が死なないといけないんですか…！？なんで、なんで俺なんかを守ろうとして…ッ」
「…………」
「…どうして…どうして俺なんですか…ッ！？どうして…俺は……っ」
エレンが言いたいことが何なのか、胸の内に抱えた葛藤が何なのか…
自分の目を見つめたまま、ボロボロと涙を流し小さく震えるエレンを見て、リヴァイは胸倉を掴んでいた手をほんの少しだけ緩めた。
「…人一人、死ぬのは簡単だ。…あっけない程にな。お前もその目で散々見てきただろう。人間の命は儚くて、脆いもんだ。いくら守ろうとしても、簡単に指の隙間から零れ落ちて、跡形もなく消えちまう…。俺も何度も経験してきた。どれだけ強くなろうとも、それはずっと変わりはしねぇ」
「…………」
エレンの胸元から手を離すと、リヴァイは静かに目を伏せた。
「……アイツは…――、」
そう言って一旦言葉を切ると、ベッドの上のAの方へとゆっくりと視線を送る。
「…森の中で倒れているアイツを見つけた時、Aは自分のことは何も言わず、お前の心配ばかりしていた。俺に、早くお前のところに行けと。引き止めもせず。…自分の命が、危ないかもしれねぇのに…」
「……そん…な…」
エレンにとってそれは初耳だった。
リヴァイは静かに言葉を続ける。
「…戦場では、一つ選択を誤れば取り返しのつかないことになる。前にも一度話したな。だからこそ、どんな状況下であろうと冷静な判断が必要だ。それがどんなに残酷な決断だろうと、誰にどう非難されようとな。…だから、俺もアイツも、何を優先すべきかを…あの時選んだ」
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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