胸の中の葛藤 ページ20
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「…そうかもしれない…って、何なんですか…？」
放心状態にも似た表情で、エレンはリヴァイの瞳を見つめる。
「…兵長は…兵長は、平気だったんですか！？大切な人を…Aさんを、一人置き去りにして…――ッ」
わかっている。
自分がひどいことを言っているのはわかっていた。
こんなことを言うつもりはなかった。
でも、感情が溢れ出してもう止まらなかった。
ベッドの上でいまだ意識が戻らないAをこうして目の前にしたことで、今まで抱え込んでいた何かが切れた。
逃げていた現実が、事実だと認識することが怖かった。
自分のせいだと認識することが怖かった。
Aに会うことが、苦しんでいるリヴァイに会うことが、怖かった。
わかっている。
これが八つ当たりだということも。
自分の中のイライラを、葛藤をぶつけているだけだということも。
自分なんかより、リヴァイの方が何倍も辛いということも…
だからこそ、なお更…――
「どうして、どうしてそんなふうに割り切れるんですかッ！？任務の為なら何だってできるってことですか！？仲間が何人死んだって、大切な人が死んだって、任務の為なら仕方がないって言うんですかッ！？」
「………」
「俺を助けるためにって、そんなの俺にはわからない！そんなの理解できない！俺のことなんかどうでもいいッ！！俺は、誰かの命を踏み台にして生きていたくなんか…――ッ」
―ﾊﾞｷｨｨｯ！
乾いた音が静かな部屋の中に響いた。
エレンの言葉が途切れると同時に、エレンの身体が吹っ飛ぶ。
リヴァイが握った拳が、エレンの頬を殴り飛ばしていた。
「…黙れ。ガダカタうるせぇんだよ、クソガキが」
床に転がり込み、口の端に滲んだ血を手の甲で拭うエレンを、リヴァイが鋭い視線で見下ろす。
「もし俺が行かなかったら、お前はものの見事に
「っ…そんなの……理由にならない」
なおも自分を睨みつけてくるエレンの側に跪くと、リヴァイはその胸倉を強引に掴みあげた。
「…生き残ったのが苦しいか？誰かが死ぬのを見るより、自分が死んだ方がマシだとでも…？それとも全部お前のせいだと、そう責められてぇのか？お前を守る為にみんな死んだ、と。そう責められたら…テメェは楽になるのか？」
「っ……」
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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