疼き ページ19
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落としていた視線を上げると、エレンは改めてリヴァイの方へと視線を向けた。
鼓動がドクンドクンと大きく波打つのを感じながら、手の平を強く握りしめる。
何故か、胸の奥が
どうしようもなく。
それが、怒りなのか、悲しみなのか…
いや、違う
もっと違う何か…
一方のリヴァイも、エレンの言葉に思わず眉間に皺を寄せると、こちらを向いたエレンの瞳を見据えた。
「…あぁ？…何言ってやがる、テメェ…」
出てきた言葉は明らかに苛立ちを含んでいた。
「寝言なら寝て言え。笑えない冗談のつもりか？…それとも、俺に殴られてぇのか…？」
最後の言葉も嘘ではなかった。
場合によっては、本当にエレンを殴り飛ばすつもりだった。
リヴァイの瞳に鋭さが宿る。
エレンもそれにすぐ気づいたが、視線を逸らそうとはしなかった。
むしろ正面からリヴァイを睨みつける。
「…兵長は……兵長は、どうしていつもそんなに冷静なんですか…ッ」
「…………」
「どうして……どうして、俺を追ったんですか…！？」
「……あぁ？」
「ミカサから聞きました。俺を連れ去った女型を兵長が追いかけてきて、ミカサと一緒に俺を取り戻したと」
「…当然だ。お前に死なれたら困る。…それだけだ」
「…それ…だけって…ッ」
エレンの声が一層大きくなり、胸に抱えた苛立ちが暴走を始める。
リヴァイが言っていることは確かに正論なのだろう。
だが、だからこそなお更に苛立った。
リヴァイの冷静な声色が、追い打ちをかけるようにエレンの胸の内を掻き乱してゆく。
「なんでそんなに冷静なんですか…！？任務だから？俺が死んだら困るから？そんなの関係ないッ！もしAさんをもっと早く処置できていたら、こうなっていなかったかもしれない。Aさんの意識が戻らないのは、治療が遅れたからかもしれない。もっと早く処置できていたら……ッ」
「……そうかもしれねぇな」
そう答えながら、胸の奥がズキリと痛みを覚えるのは、自分の中にもその思いが少なからずあるから。
リヴァイにとっては自覚するまでもなかった。
早く処置できていれば、結果は違ったかもしれない
つまり、あの時、自分がAを選んでいれば……
だが、それを今考えたところで、現実は変わりはしないこともわかっている
そして、その選択肢は、あの時の自分の中には…―――
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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