日常という名の記憶 ページ12
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古城にいたころの日常…
アイツらがいて、Aがいて、そこにエレンが加わり
そして、自分がいて
自分でも驚くほどに、居心地がよかったと、今更ながらにそう思う
地下街にいたあの頃と…少しだけ似ている
こんな日々が続くのも悪くないと、そう思える程に
そして、こんな風に幸せそうにしているAの側にいられるなら、悪くない…、と
だが、今Aが目覚めたとしても、あの場所に帰ることは、もう二度とできない
胸に空いた紛れもない空白
失ったものは、決して戻らない
それでも…―――
重ねている手を思わずギュッと強く握り締ると、リヴァイは静かに眠るAの顔を見つめた。
同じようにAを見つめているハンジへと視線を移せば、その目元にも明らかな疲労の証が色濃く残っている。
「…そう言うお前も顔色がいいとは言えねぇな、メガネ」
「……まあね」
リヴァイの問いかけに、ハンジは言葉を濁すようにそう答えた。
帰還後、ハンジも事後処理に、そして今後の対応にと、エルヴィンと同じく忙しく動き回っている。
疲労の色は隠せない。
寝てないのはお互い様、といったところか…
本当は、Aにつきっきりでいられる状況でもないことはわかっている。
それもわかった上で、リヴァイはそうせずにはいられなかった。
甘えている、という自覚も十分過ぎる程ある。
わかっていながらそれでも…ここを離れることができない。
同時に、自分が今動いたところで、この現状が何か変わるとも思えないのも事実だった。
「…何か動きはあったか？」
「そろそろ正式な通達が来る頃だよ。2、3日以内にはエルヴィンが王都に召集される。エレンの身柄もその前には憲兵に引き渡されることになるだろうね」
「……そうか」
予想通りの答えが返ってくる。
中央に行けば、憲兵団へのエレンの身柄の引き渡しが正式に決定することは目に見えている。
さらには、調査兵団の存続ついても議論にかけられることになるだろう。
しかも現状、兵団が存続できる可能性は限りなくゼロに近い。
エルヴィンが画策しているところだろうが、その方向性は現段階では変えられそうにない。
「…それまでに何か打開策が浮かべばいいがな」
「…考えるしかないさ」
「―――…悪いな。任せきりにしちまって」
リヴァイの口から出た謝罪ともとれる言葉に、ハンジは目を伏せると静かに首を横に振った。
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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