敗者達2 ―予想外の ページ2
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胸の奥で渦巻く黒い感情に支配されそうになる。
斬りかかったところであの硬化現象に阻まれ、ヤツのうなじに傷一つつけられないことも知っている。
だが…――――
それでも湧き上がる殺意を押さえつけ、今にも暴発しそうな自分を紙一重のところで制止する。
落ち着け…
まず、状況を把握しろ
その時、ヤツを立体機動で追う一人の兵士の影があることに気づいた。
…女……？
女型の後を追っているのは、女の兵士のようだ。
立体機動をかなりのスピードで使いこなし、走り去ろうとする女型に一人で攻撃を仕掛けている。
見る限り、相当な手だれだ。
何故ここに…という疑問が湧きあがるが、それは後回しだ。
スピードを乗せ、女兵士が再び立体機動で女型に迫る。
うなじに斬りかかるが、先程見せた硬化現象に阻まれ、ブレードの刃先が砕け散った。
それでも追いかけようとする兵士に近づくと、リヴァイは強引にそれを止めた。
「…同じだ。一旦離れろ」
捕まえた身体を離し、女兵士に話しかける。
「この距離を保て。ヤツも疲弊したか、それほど速力はないように見える。…お前、名は？」
「……ミカサといいます」
ミカサは鋭い目つきのままそう答えた。
兵士長であるリヴァイが突然現れたことに驚きつつも、その心象は正直なところ最悪。
あの裁判の時に見せたエレンに対する暴行。
演出だか演技だか知らないが、忘れはしない。
それに、人類最強と言われる兵士長がついていながら、何故エレンがこんなことに……
「うなじを丸ごとかじりとられていたようだが、お前はエレンが食われるところを見たのか…？」
「……はい。でも、エレンは生きていますッ！」
「…普通に考えればエレンは胃袋の中だ。そうなれば死んでいる」
「ッ…目標には知性があるようです。ヤツの目的はエレンを連れ去ること。だからまだ、きっと口の中に……！」
「……だといいが」
そう答えるリヴァイを、ミカサは必死の形相で睨みつけた。
「…そもそもは、あなたがちゃんとエレンを守っていれば、こんなことにはならなかった…！」
その言葉にわずかな違和感を覚え、リヴァイは改めてミカサの顔を確かめる。
この面、どこかで…
…そうか…あの裁判の時の…――――
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berumanami0220(プロフ) - こんなに長く書き切ってくれてありがとうございました！すごく素敵なお話でした (4月6日 19時) (
レス) id: c0ff4540c3 (このIDを非表示/違反報告)
まやや - 泣いちゃった。。ジャンの変装シーンってどういうことですか？この長編を描き切るなんて素晴らしいです！！ (2020年10月24日 16時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - コットンキャンディーさん» コメントありがとうございます！こんなに長い小説を読んでいただき、本当にありがとうございます。嬉しいコメントまで、ありがたいばかりです(泣)だいぶ前に書いた作品ではありますが、こうして読んでくださることに心より感謝です！ありがとうございました(T-T) (2020年5月8日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
コットンキャンディー(プロフ) - こんにちは。今更ながら読ませていただきました！この章では泣いてしまいました本当に。こんな小説を書けるなんてすごいです！この小説を書いて下さりありがとうございました！とても面白かったです！ (2020年5月6日 12時) (レス) id: 5295ad42ac (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ゆらさん» コメントありがとうございます！そんな風に泣いていただけるなんて…本当にありがとうございます！最後の終わり方はいろいろと悩んだので、そう言っていただけると嬉しいです(泣)この作品を読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年9月25日 0時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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