story＊53 夢の残骸 ページ10
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いつの頃からかそう思うようになっていた
こんなことをリヴァイに言ったら、きっと殴られるだろうけど…
生き残るのは強い者のみ
それがこの世界だから
けど、それでも戦うのは…
『夢をみるのは、悪いことじゃないと思う。夢があるから、こんな世界でも前を向いて生きていけるんだ』
あの人が、いつか言っていた言葉
本当に、大好きだった
曇りのない瞳も、優しい声も、温かい笑顔も、包みこんでくれるようなその心地よい腕の中も…
『俺はAとの未来を夢みてる。巨人が絶滅して、壁から自由になって。そんな脅威のない世界でさ、俺達の子どもがすくすく成長していく姿を二人で見守って。そんな平和な日々…悪くないだろ？だから…』
――俺は、壁の外で戦えるんだ
けど…あの人はもうどこにもいない
彼の夢もどこにもない
全ては消えてなくなった
跡形もなく
何一つ残ってない、残されていない
ただ、虚しい夢の残骸だけが、今も私を捉えて離さない
どうして…
何度そう思っただろう
どうして、あの人が死ななければならなかった…？
どうして、私一人だけがいつもこの世界に取り残される…？
どうして、…私はあの時、一緒に死ななかった…？
どうして…―――
「……お前、…泣いてるのか？」
ふいにかけられたリヴァイの声に、ハッとして我に返る。
気づくと生温かい雫が、私の頬を伝っていた。
隣で私を見つめるリヴァイの瞳と視線が合って、私は無意識に奥歯を噛みしめていた。
「ッ…ゴメン！私、部屋に戻る」
最悪だ…
心の内で、そう思った。
なんでコイツの前で私はいつも最低な姿ばかり…
自分への苛立ちが募るのを感じつつ、急いで立ち上がろうとした。
するとそれを阻むように手首をグッと掴まれ、ソファーに引き戻される。
「別に隠さなくていい。泣きたきゃ泣けばいいだろ」
「…離して！リヴァイにばっかり、こんな格好悪い姿…ッ」
「…別に構わねぇ」
無理矢理振り解こうとする手をさらに強く掴みかえすリヴァイ。
その瞳はまた、真っ直ぐに私の瞳を見据えていて…
どうしようもなく胸が苦しくなる。
一度は押し込めた涙がまた溢れそうになる。
なのに、苛立ちの矛先は何故かリヴァイに向けられ…
本当に最低だ…私…
「優しく…しないで！お願いだからこれ以上、私に優しくしないでよ…ッ！」
抱えた苛立ちをぶつけるようにしてそう言い放った私の声は、何故か…小さく震えていた。
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ああ - 続きがめっちゃ気になります！ (9月12日 17時) (
レス) id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 更新待ってるよ〜 (9月12日 17時) (レス) @page39 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - いつまで待ってるよさん» コメントありがとうございます！更新待ってくださってるということでしょうか。ありがとうございます（泣）。続きもう少しで更新できそうです。頑張ります！ (2021年4月19日 23時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
いつまで待ってるよ - みゃー (2021年4月13日 16時) (レス) id: 96589efb3e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミカサさん» コメントありがとうございます！更新お待たせしてすみません！待っていただきありがとうございます！ (2021年3月21日 22時) (レス) id: d224b33113 (このIDを非表示/違反報告)
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