第57回壁外調査7 ―遭遇 ページ23
・
…剣を……?
やはり、戦うということか――
リヴァイの指示通りブレードを引き抜き構えながら、Aは瞳を鋭くした。
駆けながら後ろへと視線を送れば、立体起動に移り宙へと身を翻す兵士の後ろ姿が見えた。
きっとその視線の先に、『ナニカ』がいる……
地響きのような足音がすぐそこまで近づく。
バンッ…!!
耳をつん裂くような音が鳴り響いた。
その瞬間、さっきまで宙にいた仲間の身体は無惨な姿に変わり果てた。
「…ッ!?」
その光景に息を呑む。
文字通り、巨人の手によって一瞬にしてなぎ払われた。
眼前に現れたのは14メートル級の女型の巨人。
「走れッ!!」
リヴァイの声にハッとし、咄嗟に馬を加速させる。
巨人…確かに巨人だ
だが、違う――
地を割るような足音をさせながら走ってきたかと思うと、もの凄い勢いで宙へと跳躍する
その身体能力…
明らかに普通の巨人ではない
しかもその眼は狂気を孕み、獲物を前にしてまるで笑っているのかようだ
一体ヤツは……!?
エル「ッ…早い!!」
グ「この森の中じゃ回避しようがない!!」
エル「追いつかれるぞッ!!」
ペ「兵長!立体起動に移りましょう!!」
脅威を目の当たりにし、皆が口々に叫ぶ。
だが、リヴァイは後ろに視線を送るも何も言おうとしない。
「ッ…兵長!?早く指示を!!」
Aが焦った声を発しながら、リヴァイを見やる。
冷静な表情のリヴァイ。
その瞳は何かを推し量っているようだった。
その内にも、女型の巨人はどんどん迫ってくる。
「ッ…背後より増援!!」
ペトラの声に、再び視線を後ろに移す。
立体起動に移った兵士の姿が二つ。
空中から切りかかる――が、ワイヤーを掴まれると一人は木に背中で押しつけられ、もう一人は手の平で握りつぶされ、瞬く間に惨殺される。
「ッ…なっ!?」
一瞬の出来事に、全身が凍りついた。
……酷すぎる…ッ
飛び散る血吹雪
まるで小さな虫けらを手にかけるかのごとく、あっという間に命を奪う
明らかに意図的に殺している―――
捕食するわけではない
自らの手にかけ、目的を持って殺しているのだ
そう…おそらくコイツはエレンと同じ
『人間』が巨人化した巨人
つまり、この中に人間がいるはずだ
だとしたら、この人間は…――ッ
いろんな事が頭の中を駆け巡る。
だが、今は思考を巡らしている時間はない。
目の前の現状をなんとかしなければ……!
935人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まやや - 本編は女型の巨人でしたよね(名前かっこいい)オルオのボケシーンほんと面白くて和みます! (2020年10月24日 14時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
まやや - これ決戦は相手と意思通じできる前提なのですか? (2020年10月24日 14時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - レムさん» レムさん!コメントありがとうございます!レス遅くなってしまいすみません(>_<)最近通知の調子がおかしくて(泣)応援本当に嬉しいです!これからも更新全力で頑張ります!!(≧▽≦) (2017年4月22日 16時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
レム - いつも読ませてもらってます^ ^これからも応援してます!頑張ってください (2017年4月19日 0時) (レス) id: 070402a881 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - みーみーさん» プンプン丸…可愛いな(*´ω`*)兵長のシーン、ちょっと長かったね(*´∀`)この辺りの流れ、すごく好きなんだ!続きも頑張る〜!! 次はもうリヴァイ班のシーンに移る予定だよ((((;゚Д゚))) (2016年12月4日 23時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ