人類最強と私の恋愛事情7―決戦の時―【進撃】【リヴァイ】

決戦前8　　―最善とは ページ11

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皆の了承を確認すると、リヴァイは再度口を開く。



「任務の内容についてはいいな。エレンの命が最優先。どんな状況下においてもだ。…わかったな？」

「「はい！」」

「……最後に。壁外では何が起こるかわからねぇ。不測の事態に陥った場合には、個々での判断が必要な場面も出てくる。その時は判断を誤るなよ。一つのミスが命取りになる。…可能な限りの最善を尽くせ」



鋭い瞳のままリヴァイが言い聞かせるようにして口にした言葉に、皆は無言のまま頷いた。



最善を尽くす―――

言葉にするのは簡単だ
だがその実、それを実行するのは非常に困難なこと…

わかっている…

壁外で直面するであろう過酷な状況についても

だが、お前達なら…――


リヴァイは言葉の後に、ゆっくりと5人の面々に視線を送った。
確認するように、一人ひとりと視線を合わせる。


皆、とても

いい目をしていた―――



「…俺から話すことは以上だ。明日もいつも通り訓練を取り行う。さっさと休めよ」



リヴァイはそう言い残すと一人席を立ち、静かに食堂を後にした。

食堂のドアをパタリと閉じる。
メンバーで席を立つ者はいなかった。


おそらく、皆が疑問を感じていることだろう…

配置の件については―――



エレンの配置は、今回の壁外調査で要となる作戦を知っている兵士、―――つまり、5年前に壁が壊される以前からいる兵士にだけ伝えられている

仮にエレンの配置が敵側に知れ、もし巨大樹の森にたどり着く前に奇襲されたら、それこそ作戦は失敗に終わる
目標がエレンにたどり着く前に、自分達が巨大樹の森に到達していることが前提条件

その為、各班へはエレンの配置をそれぞれ違う配置として伝えてある
この情報の隠ぺい、そして情報の撹乱(かくらん)は、その為の時間稼ぎ



敵がどこに潜んでいるかわからない以上、危険分子は排除しなければならない
何としても…

それが、自分の班員でも―――だ

もちろん、Aにも…



心苦しくない、と言えば嘘になる

だが作戦上、必要なこと


あとは、やるしかない…

文字通り、最善を尽くすのみ


それがどんなに険しい道のりだろうと、どれだけの血を流すことになろうと、必ずやり遂げてみせる



人類の未来のために……



そして、お前との未来のためだ


A…




いつの間にか握り締められていたリヴァイの拳に、ギュッと力が込められていた……。





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