巨人化実験7 ―巨人化 ページ33
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爆音が響いたのは、エレン達が座っていたテーブルの辺りだった。
地響きと共に巻き起こった突風に、エルド達の身体が吹き飛ばされ宙を舞う姿が目に映る。
Aは思わず救急箱をガシャンと地面に落とした。
「…なっ…!?」
目の前に現れたのは……
巨人化した…っ!?
まだ蒸気に隠れているが、それは巨人の腕の一部のように見えた。
「っ…エレン!!」
まわりが騒然とする中、Aは駆け寄ると、アンカーを放ち反射的に立体機動に移っていた。
宙を舞い、巨人化した物体の上にいるエレンの元へと着地する。
「エレン!!大丈夫ッ!?」
「Aさん…っ!!」
動揺を隠せない表情で、エレンがAを見やった。
「ち、違うんです!!な、なんで今頃…っ!?なんでっ!?」
エレンは同化している腕を、必死に引っ張り、引き抜こうとしている。
「とにかく落ちついて、エレン!!」
そう言ってAはひざまづくと、エレンの肩を掴んだ。
巨人化したのは腕だけのようだ。
下には肋骨らしき骨組みが見えるが、筋肉の形成も中途半端で、腕の形はしっかりしているものの、大きさが小さい。
とりあえず、今は巨人化した部分が動く気配は見られない。
かといって、動かないという保証はどこにもない。
このまま、暴走する危険性も……?
それに、エレンは何故、今、巨人化したのか
エレンの動揺ぶりからみると、偶発的なものなのか…?
それとも……
とにかく落ちつかなければ……
Aもそう自分に言い聞かせる。
リヴァ「…落ちつけ」
そんな二人の耳に、リヴァイの声が届いた。
エレン「っ…リヴァイ兵長、これは…ッ!!…はっ…!!」
「兵長!!…ッ…!?」
霧のような蒸気が次第に晴れてきて、その向こう側に見えたものに二人は思わず絶句した。
エレンとAの瞳に映しだされたのは、ブレードを構え、敵意をむき出しにしているエルド達4人の姿だった。
リヴァ「…落ちつけと言っている、…お前ら」
静かにそう告げたリヴァイの言葉は、エレン達ではなく、その4人に向けられたものだった。
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まやや - Wwwハンジwwwwwアニメでは団欒の後に出てくるからそれがここでも生かされてる(?)面白い。ちょっとえちちな展開もいい。嫉妬しちゃう、第三者目線でしか見れないから。。つら (2020年10月24日 0時) (レス) id: e7ac9c5abf (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ミーナさん» コメント感謝です!!嬉しいお言葉を、たくさんありがとうございます!!本当に嬉しすぎます(>_<)夢主を含め、リヴァイ班みんなの内面の葛藤などを少しでも書ければと思っております!続き頑張ります!!応援ありがとうございます!! (2015年12月14日 22時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
ミーナ - 素晴らしいですね!!!大好きです!すごく大好きです!!頑張ってください!!!なんか、人間らしさ…?何かが出ていて感動します! (2015年12月14日 19時) (レス) id: 9ea20a320e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - あいねこさん» 嬉しいコメントをありがとうございます!!感動しましたなんて…嬉しすぎです(ToT)応援本当にありがとうございます!!(*´∀`)更新頑張ります!! (2015年12月14日 8時) (レス) id: e76103ed1a (このIDを非表示/違反報告)
あいねこ - すごく感動しました!これからも頑張ってください。応援します! (2015年12月14日 1時) (レス) id: cc9f9b8f42 (このIDを非表示/違反報告)
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