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【episode 48】#You ページ48

目の前で繰り広げられる死闘。


芥川の怪物…羅生門と敦の月下獣が目の前でぶつかろうとしていた。


お願い、死なないで。


強く目を瞑り、願った。



「はぁーい、そこまでー」



聞き覚えのある、声がした。

ゆっくりと目を開けるとそこには二つの力の間でいつものように佇んでいる太宰がいた。


「なッ……」


「だ、ざい、……」


太宰の異能力"人間失格"によって、二人は力を解かれていたのだ。
人間の姿に戻った敦は、あのときのように地面へと倒れる。

私は無理矢理自分の足に力を入れるとふらつきながらも敦の元へと向かった。


「貴方は探偵社の!何故ここに、」


「美人さんの行動が気になっちゃう質でね、こっそり聞かせてもらった」


太宰はそういうと胸のポケットから機械を取り出す。


「まさか、」


慌てるように自分のポケットを探る樋口さん。
ポケットの中には盗聴器が仕掛けられていたらしい。

私は探偵社で依頼内容を聞いていたときのことを思い出す。
樋口さんを心中に誘っていたあのとき。
わざと樋口さんの手を触って近づいて盗聴器を仕掛けたんだ…


「では最初から私の計画を見抜いて…」


「そゆこと」


素直にすごいと思った。
けれどそれと同時に、何かともしれない恐怖を感じた。


にっこりと笑ったまま私を見た太宰はしゃがみ込んで私と目線を合わせる。


「大丈夫かい、怪我は?」


「大丈夫、です…」


「そうか、ならよかった。
ほらほら、起きなさい敦君。
Aと私では三人も負ぶって帰れないよー」


「待ちなさい!生きて帰す訳には!」


ぺちぺちと敦の頬を叩く太宰。
その背後で太宰に銃を構えた樋口さんが立っていた。

それを見ていた芥川は静かに笑い出す。
太宰に向けられていた銃を下ろさせてると口を開いた。


「太宰さん、今回は退きましょう…
しかし人虎の首は必ず僕らマフィアが頂く」


「なんで?」



「簡単なこと、その人虎には闇市で七十億の懸賞金がかかっている」

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十六夜(プロフ) - 胡蝶さん» コメントありがとうございます。励みになります。中也さんの登場が私自身も待ち遠しいです^ ^ (2018年3月10日 11時) (レス) id: e6ba942cc6 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶 - 凄くおもしろかったです。夢主ちゃん、中也さんと気が合いそうですね。これからどんな展開になっていくのか楽しみです。 (2018年3月10日 0時) (レス) id: 7857e3d4af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十六夜 | 作成日時:2018年2月27日 22時

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