階段前〖踊り場付近〗へ(後日談) ページ18
あの日、龍園くんに呼び出されてから...彼は私の教室に来ることが多くなった。
龍園 翔「A、行くぞ」
「う...うん」
彼が教室の中に入ってくると、騒がしかったクラスが 一瞬で静かになるのがわかった。
「(私を迎えに来てくれることが多くなったことで みんな怯えきってる...)」
それも無理はない。なんせ、同じクラスだった男子二人が 意識不明の重体で学校に来れなくなってしまったからだ。
日頃から私がいじめられていたところを目撃していた生徒は、龍園くんを見かけると顔が青ざめていくばかり。
私は龍園くんと一緒に行動をしているため、クラスでは誰も近づいてくる人などいなかった。
「(そもそも、そんなにクラスの人たちと仲はよくないけど...あからさまに避けられてる感じがして 寂しいな)」
龍園 翔「A、何を考えてやがる?」
そう言って龍園くんが私の顔を覗いた。
「えっ、あ...なんでもないよ!」
龍園 翔「そうか。......」
すると彼は、何も言わずに私の肩を抱き寄せた。
「り...龍園くんっ?」
龍園 翔「プレゼントは気に入ったか?」
「...プレゼント...?」
龍園 翔「そうだ。今やお前のクラスには、お前に危害を加えるやつはいねェ」
龍園 翔「俺が静めてやったからな」
龍園 翔「これで...お前は誰にも手を出される心配がねェ」
龍園 翔「快適だろ?誰も歯向かうやつがいねェのは」
「...私は、みんなから避けられたかったわけじゃなくて......仲良くなりたかった...」
龍園 翔「...ああ?」
「こんなこと...望んでなんか......!」
そこまで言いかけると、龍園くんは私の口を手で塞いだ。
「っ!?」
龍園 翔「お前がよくても俺はよくねェんだよ」
龍園 翔「なあ、所有物に手を出された気持ちがわかるか?」
龍園 翔「俺は自分のものに傷をつけられたことが何よりも許せねェ」
「(っ...)」
抵抗しようとすると、身動きが取れないまま 彼に抱き抱えられた。
「お...降ろして龍園くっ──」
龍園 翔「お前はまだ躾がなってねェから 俺がじっくり教えてやるよ」
龍園 翔「何日かかろうが...従順な犬になるまでな」
そう真剣に彼は言うと、私は部屋に連れ込まれた。
これから自分の身に起こりうることを考えながら、私は身震いをした───。
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作者名:CRONE | 作成日時:2024年3月11日 23時