階段前〖踊り場付近〗へ(後編) ページ15
龍園 翔「...これだけじゃ足りなかったか」
「え...?」
龍園 翔「まだお前が答えないつもりなら、実際お前に危害を加えたやつら一人ずつに じーっくりと聞いていく」
龍園 翔「そうしたら...やつらも、自ら真実を話すだろうしな」
そう言って龍園くんは 私に背を向け歩き始めたため、私は彼の服を 気づけば引っ張っていた。
龍園 翔「...ああ?」
「理由...話すからっ......これ以上他の人を傷つけないで...」
目に涙を溜めながら言う私に、龍園くんは 私の方を振り返ってから じっと私を見つめた。
「...そんなに被害を受けたわけじゃないから、龍園くんに言うほどじゃないと思って......」
そう私は言うと 龍園くんの手が私の顎に触れ、そのまま 私の顎を強く掴んだ。
龍園 翔「そういう問題じゃねェ」
龍園 翔「お前は...俺のもんだろ?」
龍園 翔「なのに、お前が別のやつらに許可なくちょっかいを出されるのは...いい気がしねェ以前に......」
龍園 翔「虫の居所が悪すぎる」
そう言う彼は 本気の眼差しで私を睨むように捕らえた。
「っ...ごめんなさい......」
「今度からは...ちゃんと、伝えます...」
怯まないように、グッとこらえながら 龍園くんをまっすぐに見つめ返すと 彼はニヤッと笑ってから
龍園 翔「ああ。必ず、伝えろよ」
そう言い 私の額に口づけをしたのだった──。
【圧倒的捕獲者】
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作者名:CRONE | 作成日時:2024年3月11日 23時