─平田side─(後日談) ページ13
あの日から、Aさんに避けられている。
それは 彼女の反応を見れば明白だ。
あのあと、僕はもう一度話をしようとして 彼女の教室に行ったが 僕のことを認識した彼女は 僕から目を逸らした。
その態度に、最初はショックを受けたものの 何日も同じ態度を彼女に取られ続けた僕は 次第に彼女と強く話したいという思いに捉われた。
...数日後、Aさんからメールがきたときは とても嬉しかった。
平田 洋介「(久しぶりにAさんと話せるのか...楽しみだな)」
だがその思いも虚しく、僕は 彼女に別れを告げられた。
平田 洋介「(僕と関わらないようにする だって...?)」
平田 洋介「(...そんなの、あまりにも酷じゃないか)」
僕は 溜め込んでいた自分の思いの丈を伝えたことで、彼女に更に恐れられてしまった。
平田 洋介「(君が僕を恐れるなら...君が僕から離れようとするなら......)」
平田 洋介「...僕も好きだよ」
平田 洋介「(こっちも 手を使うまでだ)」
後日、彼女のいる教室へ行くと 僕は彼女を呼び出した──断りにくい状況を使って。
昨日の今日で 気まずそうにしている彼女に近づいてから、
平田 洋介「もう君は 僕と関わりたくないかもしれない。」
平田 洋介「だけど...僕はそうじゃないんだ」
平田 洋介「君ともっと話したい」
平田 洋介「Aさんと...前みたいに、楽しく過ごしたい」
そう僕は 笑顔で言った。
「...そこまで、関わりたいと思ってくれてたんだ...」
「ごめんね...ずっと冷たい態度を取り続けちゃって......」
「...私も あれから考えたの」
「平田くんと距離を取って、逃げるんじゃなくて...向き合わなきゃダメだって」
そう言う彼女の瞳には 強い意志が宿っていた。
平田 洋介「(君なら...そう言ってくれるって信じてた)」
Aさんは責任感が強い。当然、友達との関わり合いについても 真剣に考える。
潔く関係を断ち切る時は断ち切る、そして...悩むことがあれば その相手の願いを叶えてあげたいと思ってしまう。
平田 洋介「本当に...Aさんは 優しいね」
平田 洋介「(だからこそ...誰かにつけ入れられやすい)」
平田 洋介「(...僕が、彼女【Aさん】を守らないと)」
平田 洋介「ありがとう。改めて...僕と また仲良くしてほしい」
そう言って 差し出した僕の手を、Aさんは頷いてから 握ってくれたため 僕も彼女の手を握り返した。
二度と、彼女を放さないという意思を込めて。
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作者名:CRONE | 作成日時:2024年3月11日 23時