放課後の彼 (ページ11)

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─平田side─（後編）ページ11

彼女も同じ気持ちだったのか、その日から僕たちは休憩時間だけでなく放課後も話す日々を送っていた。

「そろそろ、試験が近づいてきたね」

平田洋介「そうだね。確か試験の内容は......」

平田洋介「(そうだ...退学者を決める、最悪な試験だった)」

「...やっぱり自分のクラスから退学者が出る試験なんて、理不尽だよね...。」

「みんな、自分の未来を目指そうとしてこの学校に入ったのに...」

平田洋介「実力至上主義の学校だからとか、そういうのを関係なしに行われる特別試験...納得がいくわけないよ」

「平田くん......そうだよね...」

そう言う彼女は真剣な表情で僕の意見に賛成しながらも、その瞳には不安な色が混じっていた。

平田洋介「...何か、不安なことでもあるのかい？」

「え...あ......」

彼女は少し考えてから、僕に『クラスに馴染めていない』『退学になるかもしれない』ということを伝えてくれた。

平田洋介「(Aさんが退学になるなんて、有り得ない...信じたくもない......)」

平田洋介「......」

平田洋介「(...僕は誰かを批判するのはもちろん、束になって批判するやつらに...虫唾が走る)」

Aさんを退学にさせないためには？彼女が...僕と付き合えば、周りが手を出すことはない......いやそうさせない。

そう考えた僕は、彼女に告白をしたが......彼女は僕の告白を断ったことで更に窮地に追い込まれることになってしまった。

彼女を退学させようとする人たちの勢力が強くなったことに、僕は許せるはずがなく..."あの"方法を使って、みんなには賞賛票を彼女へ入れてもらった。

結果......彼女は退学にならなかったが、真実を話すと彼女は僕を恐れたような顔を見せた。

──君が退学しないようにするためにはこの方法しかなかったんだ。

この試験が終わったら、いつも通り君は笑顔で僕と話してくれると思っていたのに...。

平田洋介「(...僕は、何か間違っていたのかな...)」

それ以上、彼女と会話が続くことはなかった。

途中でわかれて彼女の後ろ姿を見送った僕は、このまま彼女がどこかへ行ってしまうのではないかという考えが過(よぎ)りその場で彼女を素直に見送ることはできなかった。