気まぐれウツボとネコザメちゃん (ページ12)

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ネコザメとハロウィンページ12

いつもよりも騒がしく賑わう寮内。
寒色系でまとめられたインテリアの所々にパンプキンの置物やランタンが飾られ、照明はキャンドルと中々趣がある。

ア「何を廊下でボケっとしてるんです？早く貴女も支度をしてください」

『おはようアズール。私も着替えるの？それに？』
アズールの着ているマミーイメージの衣装に指をさしながら尋ねた。

ア「何言ってるんですか、当然でしょう」
『はぁ……分かったわ着替えてくるわね』

廊下を引き返し寮部屋に戻っていると

「Boo！」

後ろからヌルッと首元に腕を絡められた。

『おはようフロイ…ど』
フロイドの顔を見ると顔の半分が肉がえぐれ溶けかけたようになっていた。

フ「どぉー？上手に出来てんでしょー？フラーラ？」
ジェ「フロイド！貴方メイクを落としてください！！」
フ「あ、ジェイドぉフラーラが動かなくなっちゃたー」
ジェ「だから言ったでしょう！フラーラあれはただのメイクです。ですからそんなに泣かないでください。」

『ふ、フロイドの顔が、かおがどうして、なん、でなんで』
ジェ「落ち着いてください。フロイドの顔は特殊メイクです。怪我をしている訳ではありません。」

背中を一定のリズムで軽く叩いて落ち着かせてくれるジェイド、徐々に落ち着いてきたけど、どうしてもフロイドを見たくなくてジェイドにしがみついた。

ジェ「私はこのままフラーラを部屋まで連れていきます。フロイドはその間にメイクを落としてくださいね！」
フ「え、ぁ、うん…｣

ジェイドに背中を支えてもらいながら部屋に戻った。

ジェ「フロイドがすみません。去年参加できなかった為か張り切っていて…決して悪気があった訳では無いんですが…」
『私こそごめんなさい、驚いて…まさか泣くなんて……本当にメイクなのよね？怪我はしていないのよね？』
ジェ「ええ、怪我などしてません。本当にメイクです」
『よかった……ありがとう。落ち着いたわ』
ジェ「いえ、お気になさらず。それより落ち着いて良かったです。僕たちはラウンジで待っていますから支度が済んだらあちらで会いましょう。ではまた。」

紳士的に笑って私を部屋に入れてからゆっくりドアを閉めた。

大きなため息をついて、クローゼットを開けると紫の箱が入っていた。
宛名のない箱を開けると包帯の様な模様のマーメイドドレスとレザー調のベルト、大きめのハットが入れられていた。
中々せめたデザインでも3人と並ぶならそれも良いかもと思い口元が緩んだ。