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闇の取引に使っていたような場所だ。逃げ道になる出口はいくつか用意されていて、私達はその中から、地下水路を通って地上へ出る道を選び、静かに歩いていた。
勿論、まだあれから1人きりになれていない私は、足の甲に弾丸を残したまま。なんの処置もせずに。
「今は深夜の3時ですか。…随分時間がかかってしまいましたね。」
「色々やることもあったしな。だが良い情報と金が獲られた。収穫は十分だ」
確かに、得られた結果のことを考えると、むしろかなり短い時間で十分な結果を得られている、と思った。あれだけ広い地下施設を、殆どの監視の目をくぐってボスと対峙できたのはかなり恩恵が大きい。
私の能力は消耗が激しいし、1人ではこうはいかなかっただろう。何日かに分けてゆっくり攻略する必要があったはずだ。
「この街にある4つめのアジトはどうしますか？」
一応そこにも等しく可能性はある。時間の事だけを考えれば……行けなくも無い時間だ。
「次の街は少し遠い。行くまでに1日以上はかかるだろう。出来れば明日にはこの街を出たい。」
「私もそう思ってました。それならあと一件、行くべきですね」
「あぁ、可能性も低い。さっさと片付けるぞ」
足の痛みは尋常じゃないし、地下を出たら直ぐに血をのもう。と考える。そうすれば何ら問題無いし、私だって時間はなるべく無駄にしたくない。それが最前の選択だ。
そう思ったから、この出口を選んだ。
ここが1番、4つめのアジトへ近い場所に出れる。
そうして、私たちは地上へ出る梯子を発見し、地上へ出ようとした。が、そこで
私は全くもって予想していなかったアクシデントに見舞われた。
梯子を登っていたその時、ウエストポーチが、すとん、と落ちたのだ。
「あっ」
それほど危機感もなく、結び目が緩んでいたのか、なんて考えるくらいの余裕はあった。まぁあれだけの動きをしたのだからおかしいことでは無い、と。
でも、地下水路の通路へと落下した私の鞄は、運の悪いことに、梯子のひとつにかつん、とぶつかり、そのまま軽くバウンドして
とぽん。
と、通路の横にある水路へと、落ちたのである。
「えっ！？まって、！？うそ！！！」
即座に登っていた梯子を降りて、落ちた場所へとかけよるも。あっさりと流されてしまった鞄の姿はもう、どこにも見えない。
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年2月11日 3時
