名を付けるならなんと呼ぶ Ⅱ【ONEPIECE】 (ページ47)

今日:18 hit、昨日:126 hit、合計:27,524 hit

．ページ47

「なら尚更良かったな、俺に拾われて」

なんでですか、とまだ少し赤い顔のまま不服そうにするA。

「言ったろ、おれは医者だ、と。俺ならちゃんと餌やり出来る」

呆然とするAに
俺はニヤリ、とほくそ笑んだ

＿＿＿＿…

Aに能力について詳しく吐かせた後、
俺は1人、宿を出た。

Aは部屋で眠っている。食後に出した飲み物に睡眠導入剤を入れて置いたからだ。
それほど強くない薬だが、昨日の疲れも相まってAはあっという間に眠りに落ちた。暫くは目を覚まさないだろう。

その間に俺はやることがある。

Aは、結局自分の能力について詳しく吐いた後も俺の能力については聞いてこなかった。
まだ、自分から他人と距離を詰めようとはしてこない。
だが、意識的か無意識か、俺への警戒心はかなり解いている様子だった。
さっきも、最初の時と違って神経質に間合いを測ったりしている様子はなかったし、出された食事への警戒もなかった。口数も随分増えていたし、多少なりとも気は許してくれたのだろう。

彼女の能力はやはりかなり強い。その上他人の回復能力まである。使い方によっては“誘惑”という能力もかなり役立つだろう。
その能力が優秀なのは言わずもがな。
だが俺はそれよりも彼女の能力の使い方の方に満足していた。

悪魔の実は確かに常軌を逸脱した能力を授けてくれるが、結局その能力は使う人間に依存する。