名を付けるならなんと呼ぶ【ONEPIECE】 (ページ43)

今日:15 hit、昨日:73 hit、合計:61,466 hit

Ⅶ 冥邈に溺れた記憶ページ43

冥邈に溺れた記憶
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
めいばくにおぼれたきおく

もう何日か滞在している宿にまる2日ぶりに戻った。ふう、とA肺の中の全てを吐き出せたような気持ちになる。

今日はなんの収穫も獲られなかった。
けど、そんなことも些細に感じてしまう程怒号の1日だった。

結局、ローさんの能力は見れずじまいだった。
それも仕方の無いことかもしれない。今日回ったアジトはどれも全くのハズレで、Aも能力を使ったのは潜入する時の“夜の帳(メルトナイト)“だけだ。

といってもAの身体機能は能力で大幅に強化されているので、能力無しであれだけ動けるローが相当鍛えている事は容易に解る。
音を立てずに行動するというのは、普通に動くよりもずっと体力を消費する。そんな中あれ程動き回ってもローは少しも息を乱していなかった。

正直なところ、期待以上だ。
突入して最初に遭遇した敵。そいつが此方を認識するよりも先に、能力を使おうとしたAはその手を止めた。
敵が息を吸う前に、既にそいつは音もなく床へと伏していたから。

やったのは勿論ローだ。私は音で敵の位置を把握していたけど、彼も彼で気配を辿る能力に長けているように見えた。元々センスがあるのだろう。何か能力を使っているようには見えなかったから。

明日は、4つアジトを回ると言ってたけど。

「……大丈夫かな」

正直な所、Aは心配だった。